昨年9月、国連の障害者権利委員会から日本政府に対し勧告(総括所見)が出されました。このことを契機に、国内でも「インクルーシブ教育」への関心が広がっています。
1994年、ユネスコの「特別ニーズ教育世界会議」で採択された「サラマンカ宣言」で、国籍や人種、言語、性差、経済状況、宗教、障害のあるなしにかかわらず、すべての子どもが共に学び合う「インクルーシブ教育」が呼びかけられました。
この理念の実現のためには、すべての学びの場にいる障害のある子どもたち、登校拒否・不登校の子どもたち、日本語を母語としない子どもたちなどへの必要な支援・指導をおこなえるよう、それぞれの学びの場に必要な学級編制や教員・専門職の配置、教育課程編成などの教育条件・環境を整備することが求められます。しかし、こうした措置が十分にされないまま、「インクルーシブ教育」政策がすすめられようとしています。
今特集では、どの子も大切にされる真の「インクルーシブ教育」を実現していくための方向性について考え合いたいと思います。