福島第一原発事故から9か月を迎えた12月11日、全教は提言「放射能汚染・放射能被害から子どもたちを守るために」を発表しました。それに先立って、12月9日、北村委員長と長尾国民共同局長が記者会見を行いました。
提言では、まず、原発事故を起こした東京電力と、「安全神話」をふりまき原発を「国策」として推進してきた政府は、すみやかに事故を収束させ、福島の子どもたち、そして日本中の子どもたちに、当たり前の生活、安全・安心な生活をとりもどす責任があること、そして、この事故によって生じたすべての被害に対して、早急に賠償する責任があることを明らかにしています。
そして、放射線被ばくは「少なければ少ないほどよい」という放射線防護の大原則に立ち、第一に、国の責任で、放射能汚染の調査・測定をきめ細かく徹底的に行い、その情報を公開すること。また、福島県とその周辺では、学校の定期健康診断の項目に甲状腺検査や内部被ばく検査を加え、県外に避難した子どもたちについても、検査を無料で行うことなど、子どもたちの健康調査、治療を継続的に行うこと。
第二に、学校給食の安全性について特別な配慮を行い、食材の全品検査を行うこと。そのための検査機器の整備など、国の責任で、放射能検査体制を抜本的に強化し、食の安全を守ること。
第三に、徹底した除染、安定ヨウ素剤の備蓄、教職員の加配など、放射能被害から子どもたちを守り、安心して学べる教育条件整備を一刻も早く行うこと。
第四に、「安全神話」をふりまいてきた原発推進教育を転換し、子どもたちに放射能・エネルギーの正しい認識を培う教育をすすめること。
そして、第五に、子どもたちの未来のために、政府は、人間と共存できない原発から撤退し、自然エネルギーへの転換を行うこと。
を提言しました。
今後、全教は、東電や政府に要請するとともに、この提言を多くの方々に知らせ、子どもとかかわる様々な団体・個人の方々と懇談をすすめる予定です。
記者からは、教職員の健康問題や、除染作業がどのように進められているか、どんな団体との懇談・共同を考えているかなど、質問がありました。