全教は4月11日、文科省がこの間の統一地方選挙や国政選挙にあたって、「教職員の選挙運動の禁止等」を求める通知を発出していることに対し、通知の撤回とともに、日本国憲法が保障する基本的人権を擁護し、教職員の政治活動の自由を保障することを求める申し入れを行いました。
全教の土方功中央執行副委員長と宮下直樹中央執行副委員長は、4月11日に文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課森田晃史調査係長に「日本国憲法が保障する基本的人権を擁護し、教職員の政治活動の自由を保障することを求める申し入れ」(要請文書)を手渡しました。
文部科学省は、この間の統一地方選挙や国政選挙等にあたって、「教職員の選挙運動の禁止等について(通知)」を発出し、都道府県教育委員会等を通じた周知徹底を求めてきました。全教は、選挙のたびに発出されてきた「教職員等の選挙運動の禁止等」を求める通知について、法令にも抵触していない正当な政治活動を抑圧し、憲法に保障された基本的人権をないがしろにするものと厳しく批判してきました。さらに、今年2月22日付で出された通知では「高等学校等の生徒が公職選挙法等の法令に違反することがないよう指導し、選挙運動その他の政治的活動について適切に対応するとともに、政治的教養の教育に当たっては、学校の政治的中立性の確保に留意すること」としています。このことは、文科省が教職員や生徒達に信頼を寄せるのではなく、管理し服従を強いる対象とし、教育を政権の思惑に沿って政治的に支配しようとするものです。
両副委員長から、文科省の「通知」が現場の正当な教育活動を委縮させている実態を伝え、そのことが教育基本法第14条の「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」という事項を踏みにじっていることを訴えました。その上で、以下の事項を強く要請しました。
(1)一切の政治的活動を否定する「通知」を撤回すること。
(2)文部科学省として、憲法で保障された教職員の正当な政治活動の自由を保障する立場に立った行政を行うこと。
(3)高校生の政治活動の自由を保障する立場に立った施策をすすめること。