全教と全国私教連は、「高校生・大学生の就職保障と働くルールの確立を求める要請」を、7月12日に厚労省へ、10月11日に文科省へおこないました。①高校生の就職における人権侵害を根絶し、高校生の就職ルールを徹底すること、②厚労省、自治体や労働組合などが作成したハンドブックなどを活用して、高校生が働く権利や労働法、働くルールを学ぶことができるように条件整備をすすめること、③高校生の就職支援や就職後の支援を強化することなどを要請しました。
全教と全国私教連がおこなった「2017年高校生就職内定実態調査(3月末)」の結果をもとに、文科省と厚労省へ要請しました。就職内定率は高いものの、教育現場からは内定取り消し、求人取り消し、面接時のルール違反質問、就職活動の長期化、自衛隊のルール違反の勧誘などが依然として数多く報告されています。
文科省からは、「明らかな就職ルール違反の実態がある。厚労省や現場から実態は聞いているが、こんなにたくさんの就職ルール違反があるのは知らなかった」「就職率は改善されているが、企業側は人手不足で、初めて高校生を募集する企業もある。労働局から、必要に応じて是正指導している」と回答がありました。
厚労省からは、「労働局からの報告で、不適切な面接の件数が一定数ある。企業へ啓発指導をおこなっている」と回答がありました。また、厚労省は各都道府県の労働局を通じて、全国の高校へ「高校生の就職慣行に関するアンケート」を実施し、高校生の就職ルールである「1人1社制」についての質問をおこなっています。
文科省と厚労省は、アンケート実施の理由を「就職ルールの変更ありきではない。現状把握をするためにおこなった」と言っていますが、「アンケートの公表はしない」「アンケート結果をもとに、見直す必要があるのかどうか含めて考えていく」としており、今後も高校生の就職ルールに関する動向を注視していく必要があります。
今後も、高校生の就職ルールを徹底することや、高校生が働く権利や働くルールを学ぶことができるように条件整備をすすめることなどを求めていきます。