各省が、財務省に対しておこなう、翌年度の事業に対する予算要求が「概算要求」です。これは、毎年8月31日までに各省が作成して財務大臣に提出します。この概算要求期に私たちの要求を伝え、反映させていくことが重要です。ここで私たちの要求を反映できないと、来年度予算に反映できない可能性が高まります。そのため、概算要求期におこなう「えがお署名」は、大変重要なとりくみになります。年度が替わったばかりですが、とりくみの強化をよろしくお願いします。
○今後の予定 … 1次集約 5月25日(金)
2次集約 6月29日(金)
最終集約 7月20日(金)
○提出 … 7月下旬に予定されている中央行動の一環として文科省に提出
貧困と格差の拡大が、子どもたちの安心のよりどころである家庭を直撃。2016年度の「子どもの貧困率」は13.9%と、前回調査(2013年)より若干改善されたとはいえ、7人に1人が貧困の中で生活しています。「親が弁当を持たせられないので、夏休みになると学童を休む子がいる」「食べる物がなくて毎日困っている子が、夏休みが早く終わってほしいという」などの実態が各地から報告されています。大学の授業料は国立大学でも年間50万円を超え、通学費や生活費など含めると、経済的な負担は大きく学費を払えず、高校・大学の中途退学を余儀なくされたり、進学をあきらめたりする子どもたちがいます。小・中学校においても副教材費や修学旅行の積立等、教育にかかる費用は増加の一途です。「就学援助制度」の充実と高校生への拡充、高校生・大学生への給付制奨学金の拡充が求められています。高等学校等就学支援金制度の見直しにあたっては、所得制限を撤廃し、公私ともに学費の無償化を前進させることが重要です。
自民党が憲法「改正」の一環として「教育の無償化」を検討していると報道されていますが、その眼目は“低所得世帯の支援”です。私たちは、憲法に明記された「教育の機会均等」を保障し、権利としての教育の無償化を実現することを求めます。私たちの運動で大きな社会問題に押し上げた、教職員の長時間過密労働の問題を解決するためには、教職員定数の抜本的改善が不可欠です。
これらの要求実現のためには、大企業や富裕層に応分の負担を求め、軍事費を削って、OECD諸国の中で最低水準となっている公財政教育支出の対GDP比を、OECD諸国の水準なみに引き上げることが必要です。2019年度文部科学省概算要求にむけ、教育費の増額を求める世論を大きく広げるとりくみがきわめて重要になっています。そのためにも、教育共同組織や他の労組・市民団体にもよびかけ、共同の輪を大きく広げていきましょう。
※えがお署名ポスター(A3サイズ)は、昨年度(2017年度)作成したものです。