『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年12月号 11月20日発行〉

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「地方教育行政法の改悪を許さない」5・14国会行動

 全教は5月14日、教育委員会制度を改悪しようとする「地方教育行政法改悪法案」が16日にも「委員会採決か」の緊迫した国会情勢のなか、「地方教育行政法の改悪を許さない国会行動」にとりくみました。この日は終日、衆議院文部科学委員会の傍聴、議員会館前での座り込み抗議行動、国会議員への要請行動などを行いました。

 午前の衆議院文部科学委員会では3人の参考人から意見陳述が行われました。
 門川大作京都市長は、「教育委員会が独立し、首長の介入を防ぐことは大事なこと。中立性は現行制度でも可能。首長が配慮して政治的対立は持ち込まないことが必要」と述べました。
 小松郁夫常葉大学職員大学院教授は、「首長が行政を指導すべき。議論の透明性・合議制をはかるうえで今回の『改正』は有効。総合教育会議では予算についても議論できるようにすべき」と述べました。
 越直美大津市長は、「教育委員会廃止に賛成だ。制度に構造的な欠陥がある。大津いじめ事件では教育長が事実の隠蔽、保護者への責任転嫁という暴走をした。当時私が調査を依頼したが聞き入れられなかった。事件を検証するための第三者委員会を設置した。教育委員会の隠蔽体質をただすには首長の権限強化が必要。訴訟になると責任が問われるのは市長だ。市民から『教育長をやめさせよ』という声があったが、私にはその権限がない」と述べました。その後の委員からの質問で、今回の教育委員会制度改悪の理由に、大津市のいじめ隠ぺい事件があげられているものの、第三者委員会の報告書には教育委員会の存在意義を認めていることについて、越市長は、「教育長以下の事務局が教育委員会に報告せず調査を打ち切り、教育委員会が正確な情報にもとづき議論する機会を与えられなかった」と発言し、教育委員会の役割が発揮されていないところに問題があったことが浮き彫りになりました。
 
 昼の集会には、全国から寄せられた「首長や国の権限を強め教育への政治支配を強化する地方教育行政法の『改正』に反対する請願」署名約1万 筆を日本共産党の宮本岳志衆議院議員に手渡しました。宮本議員は午前中の文部科学委員会の審議について報告し、「ゆがんだ愛国心教育、競争教育の被害者は子どもたちだ。悪法を通してはいけない」と語りました。
 また、座り込み抗議行動では、参加者から全国各地のとりくみの様子や決意が語られました。島根から駆けつけた高校教員は、「初めて委員会傍聴や座り込みに参加しました。傍聴を聞いて、教育現場の実態と合わない議論をしていることがわかりました。この法案を通してはいけない。これから島根でも運動を盛りあげていきたい」と話しました。
 全教は引きつづき、16日も終日国会行動を行い、地方教育行政法の改悪を許さないとりくみを広げていく決意です。

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