4月10日、全教も加盟する「子どもの権利・教育・文化 全国センター(子ども全国センター)」が全国の教育委員を対象に実施した「教育委員会制度に関わるアンケート」の集約状況を、記者発表しました。
文部科学省記者クラブでの記者発表では、北村佳久全教中央執行委員長・子ども全国センター代表委員、小畑雅子全教中央執行委員・子ども全国センター事務局長、中村尚史全教中央執行副委員長・子ども全国センター幹事などが参加しました。
「教育委員会制度に関わるアンケート」は、すべての都道府県・市町村教育委員会に所属する各教育委員を対象に実施しました。4月8日までに、245教育委員会に所属する教育委員339人から回答が寄せられました。
「首長の政治的な考え方がより反映しやすいしくみに変えようとしていることについて」は、反対37%、どちらかといえば反対31%と7割近い教育委員が反対の立場を明確にしました。「政治と教育が基本的に結び付いては、子どもたちの教育にゆがみが出てしまう」、「地方教育行政は国や行政権から独立し、国民に直接責任を負って行われるべきもの。大切な子どもたちの成長や発達をその時々の首長の裁量に従属させるのは、現場の実態とあまりにもかけ離れている」など、国民の教育権、子どもの権利に立った回答が多数寄せられました。
また、「戦後、教育委員が公選制であったことも含めて、その存在意義をよく考え活動する教育委員、見える教育委員であるべきだと思う」、「父母や地域住民の教育に関する意向が十分に教育行政に反映されるように、教育委員会をもっと活性化させなければならない」、「市民の声が反映できる場を拡大してほしい」など、教育委員会制度改善に向けた声も多数寄せられています。
今回のアンケートでは、子どもと教育に大きな影響を与える今回の制度改定に対して、国民的な議論を尽くして合意を図りながらすすめていくべきであり、その際に教育の条理に立って考えていくことが大切であることが明らかになりました。全教は、子ども全国センターとともに、こうした声を生かし共同を広げながら、地方教育行政法の「改正」を許さない署名、国会議員要請行動、宣伝行動などをすすめていきます。