『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年11月号 10月20日発行〉

【特集】ともに歩もう! ジェンダー平等と教育の世界へ

  • 全教共済
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「『高校無償化』廃止法 参議院文教科学委員会で26日の審議終了・採決の動き」に断固抗議する!

 「高校無償化」廃止法案(所得制限導入法案)は、19日の参議院本会議で趣旨説明が行われ審議入りしました。しかし、本日21日の参議院文教科学委員会は、下村博文文部科学大臣が「『高校無償化』廃止法」の趣旨説明だけで、わずか5分で終わりました。さらに、26日一日で委員会審議・採決を終わらせるという乱暴な提案が与党から出されました。これに反対したのは日本共産党だけで、他党は賛成し日程が決められました。
 全教は連日、衆議院文部科学委員会、参議院文教科学委員会の傍聴を実施しています。21日は、緊迫した情勢の中、緊急の参議院議員会館前の国会行動、同文教科学委員への要請行動を行いました。また、全教の全国各組織からは、参議院文教科学委員に宛てて、「短時間での委員会審議での採決強行を行わず、徹底した審議を強く要請する」旨の、FAXでの緊急抗議・要請運動を展開しています。全教は、「高校無償化」所得制限導入に断固反対します! 徹底審議ののち、廃案とするよう求めます。

 「高校無償化」は、すべての国民に保障された教育を受ける権利を実質化するものであり、制度の根幹を崩す改悪法案は憲法原則に照らした慎重な審議こそ求められます。衆議院で実施された参考人質疑も行わず、わずか一日の審議で質疑終了・採決など許されません。
 全教は本日の参議員文教科学委員会終了後、同委員への要請行動にとりくみ、徹底審議を尽くすよう求めました。秘書対応でしたが、「お気持ちわかります。この法案には問題がありますね」(自民党)、「現場を混乱させるのはよくないですね」(みんな)などの反応がありました。この反応を見ても、拙速に審議をすすめてはならないことが明らかです。
 昼の国会前行動では、全国からの参加者含めて30人が「所得制限導入反対」の横断幕やプラカード、のぼりを手に参議院に向けてアピールしました。日本共産党の田村智子参議院議員(文教科学委員)が情勢報告をし、「委員会質問時間を何としても増やして『廃止法案』の問題を暴き廃案にするため頑張ります!」と強い決意を述べられました。
 続いて、滋賀、岐阜、和歌山高、大阪高、京都高、兵庫高の参加者から傍聴や議員要請などの発言がありました。大阪高・中橋貴義さんは「授業料を徴収していたときに在学していた生徒が滞納したまま卒業した。彼は卒業後も、滞納分を払うためにたびたび学校に来ている。無償化であれば、こんな大変な思いをさせなくてすむ。また、大学の推薦が決まったのに経済的理由で断念する生徒もいる。教育費無償化の第一歩だったのに、たった1日で廃止を決めようとするなんて許せない」、京都高・佐古田博さんは「『高校無償化』は、おとな・国・政治が高校生に『君たちの学びを社会全体で支える』とメッセージを贈ったものだ。歴史はジグザグしながらも前に進むものだ。逆行してはいけない」と、それぞれ「高校無償化」の大切さと必要性を強く訴えました。
 最後に国会に向けて「徹底審議せよ」「『高校無償化』廃止法案反対」などシュプレヒコールをおこなって集会を終えました。
  26日の山場にはいっそう大きな規模でとりくみ、「『高校無償化』廃止法案」を廃案に追い込みます!



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