全教の学校図書館職員対策部は、日高教学校司書部とともに、2月27日、学校司書の配置拡大で文部科学省と交渉をおこない、「学校図書館の充実を求める署名」を第2次提出分として12,296筆を提出しました(11月の第1次提出と合わせて33,556筆)。全教からは、磯崎中央執行副委員長、五十嵐日高教中央執行委員、川原学校図書館職員対策部長、山田日高教学校司書部長らが参加し、文部科学省側は、初等中等教育局児童生徒課の春山浩康課長補佐らが対応しました。
全教から磯崎副委員長が、学校司書配置の地方財政措置が予算案に盛り込まれたことについて歓迎し、「政府が学校司書の配置を公的に初めて位置づけ、地方財政措置したことは、今後、専任・専門・正規の学校司書の配置に道を開く歴史的な一歩となることと確信する」と述べました。また、高等学校が学校図書館図書整備5カ年計画と学校司書配置措置の対象となっていない問題点を指摘し、高校での学校司書配置を拡充するための特段の対策を求めました。全教の要求に対し、文部科学省からは以下の回答がありました。
第1の要求の「平成24年度からの学校図書館関係の地方財政措置に基づき、小中学校の学校図書館への専任の学校司書の配置を促進するために、各自治体への指導を具体化すること」については、2月10日付け事務連絡で「平成24年度からの学校図書館関係の地方財政措置について」を各都道府県・政令指定都市教育委員会の予算事務主管課にあてて通知したことを明らかにし、文部科学省の文書に沿って、「おおむね2校に1校程度配置することが可能な規模を措置した」ことや学校司書の給与や業務時間など単価設定の考え方を説明しました。そのうえで、すでに配置している自治体だけが対象となるのではないかとの誤解があるとして、「全自治体が対象であり、まだ配置していない自治体でもぜひ配置してほしい」と強調しました。また、財政措置のH25年度以降への継続について、「文部科学省としては実績に基づいて引き続き地方財政措置されると考えている」と述べました。
第2の要求の「高等学校図書館の司書配置の後退をくいとめ、配置の拡充を図るために、各都道府県への指導を具体化すること」については、「高校についても学校司書配置の意義は十分理解している。学校司書を配置することの教育効果が高いことを周知し、配置を促していく」と回答しました。これに対し、日高教学校司書部の参加者から、学校司書としての採用試験が実施されていない県が多いこと、実習助手などの兼務がすすんでいること、正規が退職した後に臨時や私費の司書しか配置されていない実態があることなど、高校での学校司書の任用の現状を示しながら、配置率の低下や兼務化をくいとめるためには、高校の学校司書を教職員定数に位置づけ、長期的な図書館経営ができるようにすることを要求しました。
最後に、磯崎副委員長が、来年度は学校図書館実態調査の年であり、調査結果を早くまとめてH24年度実績をH25年度概算要求に活かす必要があること、「住民生活に光をそそぐ交付金」について今年度同様に高校等の学校図書費に活用すべきことを求めました。