第12回「子どもに豊かな育ちと読書の喜びを」学校図書館・公共図書館の充実を求めるつどいが、1月9日、全教・日高教、自治労連、市民組織などの実行委員会主催により東京で開催され、全国から約160人が参加しました。集会は、子どもを豊かに育む図書館での実践を交流し、学校図書館と公共図書館の果たす役割と連携の重要さを明らかにするとともに、そのために、子どもと本を結ぶ人(司書・図書館職員)の配置と労働条件が大切であることをパネルディスカッション、分科会、講座で話し合い、専任・専門・正規の司書の配置を求める運動をいっそう強化するアピールを確認しました。
冒頭、実行委員会から、12月24日の閣議で、小中学校の学校司書の配置について約150億円の地方財政措置をおこなうことが決定されたことが報告され、「国として学校司書の配置を初めて位置づけ、財政措置をしたことは歴史的な一歩」と述べられました。
全体会では、広瀬恒子さん(親地連代表)をコーデイネーター にパネルディスカッション「今こそ、子どものための図書館を」が行われました。パネリストからは、学校に司書が配置されて子どもが集まる図書室に変わった、しかし学習指導要領の改定で図書の時間をとることが難しくなっている(小学校教員)、著作権法の改正ですべての障害児が本を読めるためのマルチメディアデージーなど書籍の「翻訳」を図書館や学校がおこなうことが可能となり必要となっている(公立図書館職員)、地元の区立図書館移転に反対して親が集まり区への陳情などにとりくみ、子どもの身近に読みたい本がある、手に取って子どもが選べる図書館があることの大切さを深く考えるようになった(新宿の若いお母さん)などの報告がありました。会場からの発言では、学校図書館と公共図書館の連携、保育園や幼稚園と図書館の連携などの必要が議論されました。
午後には、「図書館活動と子どもたち」「住民要求に応える図書館活動」「専任・専門・正規の図書館職員を求める」の3つの分科会と講座「子どもの本の現状」(講演:赤木かん子さん)に分かれて、論議を深めました。
最後に、全体会で別紙アピールを採択した後、後藤暢さん(読書のつどい実行委員会)が閉会あいさつを行い、東日本大震災後の初めてのつどいとして、人々の結びつきやネットワークの大切さが確認される中、行政と図書館、学校と公共図書館、教員と司書などの連携の大切さが深められたこと、第1回以来の12年間を振り返り、みんなが同じ言葉で語り合いつながれる討論になった、困難な中でも一歩ずつ切りひらき着実に明日に結びついていることなど、今回のつどいの成果についてまとめをしていただきました。