全教学校図書館職員対策部は、日高教学校司書部とともに、11月24日、学校図書館の充実を求めて、文部科学省との交渉を行いました。全教からは、磯崎副委員長、五十嵐日高教中執、川原対策部部長、山田学校司書部部長らが参加し、職場からの署名2万1260筆を第1次分として提出して、東日本大震災からの学校図書館の復旧、学校図書館費(図書費)の大幅増額、専任・専門・正規の学校司書の全校配置などを要求しました。
交渉の初めに、磯崎副委員長が、東日本大震災からの復旧の中で、各方面から届けられた本が被災地の子どもたちの心を癒し、明日への希望を育むうえで大事な役割をはたしたことを指摘するとともに、6月1日に発表された「平成22年度学校図書館の現状に関する調査」の結果で、高校の学校司書の配置率・常勤率が低下しており、学校司書の削減、兼務化などがおしすすめられていることは重大だと述べ、学校司書の制度化を要求しました。
文部科学省側からは、以下の回答がありました。東日本大震災で被害を受けた学校図書館の施設、蔵書の復旧については、学校施設も図書も災害復興の対象としており、県が請求すれば全額予算措置する、上限はない、元に戻すまでやると、回答がありました。学校図書館費(図書費)の増額については、図書充実のための5カ年計画(毎年200億円、今年度まで)の地方財政措置を来年度も継続することを総務省に要望していることを明らかにしました。学校司書を法制化し、すべての学校に専任・専門・正規の学校司書を配置することを求めたことに対しては、「文部科学省として学校司書の配置の有効性を認識している」ことを繰り返し強調したうえで、地方財政措置の中に小中学校の学校司書の配置を明記し、交付税措置するよう総務省に要望していることを明らかにしました。これは、学校司書の配置を制度上位置づけた重要な一歩です。
参加者からは、「高校は常勤の学校司書の配置率が下がっており、図書館が閉まり生徒が利用できない、授業で使うにも専門職員が対応できない状況が起きている。地方の問題ではなく、学校図書館法や教職員定数標準法などできっちり学校司書が位置づけられていないから後退している」「大阪では専任の学校司書が廃止された結果、調べ学習のガイドをする職員がいない学校が増えている。生徒たちにとって不平等が起きていることを放置していいのか」など実態を示し、9月の「国民の読書推進に関する協力者会議」報告が、「学校図書館担当職員(いわゆる「学校司書」)の配置やその常勤化を推進する方策についても検討されるべきである」と提言したことを文科省として具体化することを強く求めました。
この日、日高教学校司書部は、中央行動として、衆議院第一議員会館において学校司書の法制化を求める中央集会をおこない、平智之議員、宮本岳志議員、橋本勉議員、村井宗明議員のほか5人の議員秘書が参加し、激励を受けました。その後、55名の議員に要請を行い、事前の地元事務所要請と合わせて、6党派・無所属合わせて24名の紹介議員を得ることができました。