文科省は、12月15日、「『高校生の学びのための基礎診断』の認定基準・手続きについて(原案)」を発表し、パブリックコメントを募集しました。全教は、1月11日、2つの意見を提出しました。
1つは、「高校版『全国学テ』の危険性をもつ『高校生のための学びの基礎診断』導入に反対する」とする意見です。これまで「実施方針」等で示されなかった、結果を生徒の成績評価への『活用』を可とすることをはじめ、全県一斉の実施や民間検定との組み合わせを可とすることなど、「基礎診断」が“診断”ではなく“テスト”であることが明らかにされました。小中学校の教育を歪めている「全国学テ」の高校版となるおそれが強くなり、その導入を容認することはできません。
もう一つは、「高校教育を歪め、格差を広げる『高校生のための学びの基礎診断』導入に反対する」です。ここでは、民間事業者の関与が強められることに対する反対意見を述べています。中でも、英語については4技能の「測定」に固執し、学校にスピーキング・テストをおこなうことができる施設・設備がなくても実施するよう事業者に求めています。さらに、教育内容や指導方法、成績評価など高校教育の根幹部分まで民間事業者に委ねようとしています。
また、「基礎診断」を教職員定数配分や重点校指定などの判断材料とするなど、もともとの趣旨から大きく逸脱する改変がおこなわれている点からも、導入反対の意見を送付しました。