『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年12月号 11月20日発行〉

【特集】登校拒否・不登校から見える景色――安心できる居場所がほしい

  • 全教共済
オピニオン

文科省「平成23年度公立学校教職員の人事行政状況調査」について全教書記長が談話

 全教の今谷賢二書記長は、文部科学省「平成23年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」(2012年12月24日)について、「教職員のメンタルヘルス問題を生み出している管理と競争の教育政策を転換し、長時間勤務の解消にむけた抜本的な施策の実施を求める」と題した談話を、1月11日発表しました。


 文科省の発表によると、2011年度の教職員の病気休職者数は8544人(前年度比116人減)で、うち精神疾患は5274人(前年度比133人減)となっています。病気休職および精神疾患における若干の減少があるものの、6年連続で精神疾患が病気休職者の60%を超えている「高止まり」状態は、異常です。また、2011年度の新採教員で、条件付採用期間を経て正式採用とならなかった者は315人で、うち103人(前年度比12人増)が精神疾患で退職しています。
 子どもたちとふれあい、その成長にやりがいを感じている一人ひとりの教職員を支えるためには、第1に政府・文科省が教職員に対する管理統制を強めるのではなく、教職員が子どもたちの教育に専念できる権利と自主的な権限の保障を内容とする条件整備をおこなうこと、第2に文科省と地方教育委員会の責任で事務作業、会議や調査研究などの軽減をおこない、子どもたちと直接ふれあう時間を奪っているさまざまな業務の精選をおこなうこと、第3に、OECD平均程度の抜本的な教職員増をおこなうとともに、「公立の義務教育諸学校の教育職員の給与等に関する特別措置法」を改正して、病気休職の背景にある恒常的な長時間過密労働の根本的な是正に踏み出すことが必要です。
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