『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年12月号 11月20日発行〉

【特集】登校拒否・不登校から見える景色――安心できる居場所がほしい

  • 全教共済
オピニオン

【談話】『自公政治にかわる新しい政治への歴史的な第1歩――憲法がいきる政治の実現に全力をつくします――』

                 2009年 8月31日 全日本教職員組合 書記長 北村 佳久

 8月30日に投開票が行われた総選挙の結果、民主党が308議席を獲得し第1党になりました。
また、日本共産党と社民党は議席を維持しました。
その一方、与党自民党・公明党は大敗し、自公政権は終わりを告げました。


 これは、財界・大企業とアメリカの利益を優先させ、地方切り捨て、弱肉強食、貧困と格差拡大の『構造改革路線』を続けてきた自民党政治に対する国民の厳しい批判が高まり、自民党支持基盤の崩壊とともに、戦後はじめて国民の力で自民党政治を終わらせた歴史的選挙結果です。わたしたちは、21世紀の新しい日本の進路を国民の力でつくりあげる歴史的な第1歩を踏み出しました。
 
 今回の総選挙にあたり、全教は「総選挙で、平和・教育・くらしを守る、憲法を中心にすえた新しい政治を実現しよう」のスローガンとともに、「憲法改悪反対」「貧困と格差拡大を許すな。子どもたちの進路と就修学の保障を」「改悪教育基本法の具体化を許すな」など9つの分野の要求を掲げ、政治を変えて教育を変え、要求を実現しようとよびかけてきました。そして、職場・地域での政治対話と積極的な参政権の行使を中心とする、教職員組合としての総選挙闘争をすすめてきました。
 
 全国では、2回にわたり全教が作成した職場対話用のビラや新聞全教の総選挙特集を活用した職場での総対話運動が展開されてきました。
 
 また、「教育のつどい2009」が総選挙公示日以後に開催されるというかつてない状況のもとで、「教育のつどい」の成功と総選挙闘争を相乗的に発展させながらとりくみをすすめてきました。
 
 総選挙では医療・年金など社会保障制度の確立や労働者派遣法の抜本改正など、雇用対策・景気対策とともに、子育て支援・教育費問題が主要な争点に急浮上し、各党とも選挙政策にかかげるに至りました。選挙戦終盤では給付制奨学金制度の創設で各党とも一致し、文科省も来年度予算要求に盛り込みました。こうした状況をつくりだすうえで、20年間にわたる「教育全国署名運動(全国3000万署名運動)」の積み重ねや教育費緊急ホットラインのとりくみをはじめとした、これまでのわたしたちのたたかいが大きな役割を果たしてきたことはいうまでもありません。
 
 今回の総選挙結果を受け、民主党を中心にした政権が発足することになります。
 自公政治にかわる新たな政治の中心に憲法をすえ、これまで自民党がすすめてきた財界・大企業とアメリカの利益優先・「構造改革」路線の政治からの根本的な転換は、これからのわたしたち国民の共同のたたかいの前進にかかっています。そのために、改憲策動を許さず、民主党・自民党の競い合いによる衆議院比例定数の削減、消費税の増税計画、自衛隊海外派兵など憲法と民主主義に反するあらゆる危険な動きのあらわれに対しては、断固とした反対のたたかいを展開します。
 
 同時に、子育て・教育支援など国民の強い要求を背景に総選挙でかかげられた政策の実現を新しい政権に求め、全力をあげて奮闘するとともに、改悪教育基本法の具体化を許さず、教員免許更新制の廃止、「競争と管理」を強める教育政策の抜本的な転換の実現をめざし、父母・教職員・国民とともに共同のたたかいを引き続き強化する決意を表明するものです。

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