2008年12月12日 全日本教職員組合 書記長 東森 英男
与党は本日午後、「3分の2」条項を使って「新テロ特措法延長法案」を再議決する暴挙を、今年1月に続いて行いました。
これは、「戦争でテロはなくせない」ことが誰の目にも明らかになり、アフガニスタンでカルザイ政権が反政府勢勢力との政治的和解を呼びかけ、話し合いによる事態解決への機運が高まっているにもかかわらず、アメリカに追随して、米艦船への給油による戦争支援を継続しようとするものであり、断じて認めることはできません。
私たちは、この暴挙に対して強く抗議の意思を表明するものです。
「新テロ特措法」は、そもそも憲法に違反するものであるとともに、2005年の「郵政民営化」の是非一点を争点に行われた総選挙でかすめとられた、いまや虚構の多数というべき議席による再議決は、二重に不当なものです。
また、この法案の審議中にあきらかになった田母神前航空幕僚長による侵略戦争賛美の論文問題と自衛隊内における憲法違反の教育の問題は、海外派兵を推進する政策と深くかかわる重大な問題です。
この自公与党の暴挙とともに、昨日の参議院外交防衛委員会の採決日程が民主党も賛成して決められたことも大きな問題です。この法案について民主党は審議の過程で、「第二次補正予算」の提出と引き換えに採決に応じる意思を示すなど、「政局」のために、重大な内容の法案を取引材料としたことは重大な問題であり、民主党の政策的立場を反映したものといわなければなりません。
全教は、「戦争支援より子どもたちへの支援を」と、憲法違反の戦争支援法に反対し、軍事費を削って教育とくらしの充実を求める運動をすすめてきました。私たちは今後も、平和的な秩序の確立に動いている世界の大きな流れに確信を持って、インド洋とイラクからの自衛隊の撤退、「新テロ特措法」廃止を求めるたたかいを推進するものです。
同時に、遠くない時期に行われる総選挙において、虚構の多数を打ち破って自公政権を終わらせ、憲法を守り生かす政治勢力の前進によって、日本の進路を転換するたたかいに全力をあげる決意を表明するものです。
以上