2008年 6月30日 全日本教職員組合 書記長 東森 英男
福田首相は9月1日、辞任を表明し、政権を投げ出しました。
この政権投げ出しは、昨年の安倍首相に続くものであり、無責任のそしりを免れないものです。
今回の辞任は、「構造改革」の続行とアメリカ追随の外交政策のゆきづまりが極まったことの反映であり、政策の抜本的転換なしには局面を打開できないことを示すものです。
福田内閣は、国民の強い批判の前に、労働者派遣法の改正など、若干の政策の手直しはせざるを得なかったものの、社会保障の毎年度2200億円削減、「後期高齢者医療制度」の継続や、テロ特措法の延長による米艦船への給油継続を表明し、小泉・安倍内閣の基本路線を継続してきました。
これに対して私たちは、自衛隊の「派兵恒久法」阻止をはじめ、憲法と平和を守るたたかいを、改悪教育基本法の具体化を許さず、貧困と格差の拡大から子どもたちの学ぶ権利を守るたたかいなど、教育要求実現のとりくみと固く結合してすすめてきました。また、広範な国民が切実な要求をかかげてたたかいに立ち上がりました。
このような中で、政府・与党内部での矛盾も広がり、改造後も内閣支持率が上がらず、内閣の「立ち往生」状況が深刻化していました。
私たちは、憲法を基軸に据えて、自公政治を包囲するたたかいがきりひらいたこの間のたたかいの到達点に確信をもって、新たな政治状況に立ち向かうことが求められています。
今後、自民党総裁選挙を経て、新しい内閣が誕生したとしても、先に述べたように、基本路線の転換がおこなわれない限り、政治のゆきづまりを打開できないことは明らかです。
私たちは、30人学級実現などの教育条件改善や、憲法の諸原則にもとづく教育を求めるたたかいをいっそう強化し、解散・総選挙による政治の根本的転換をめざして、職場・地域からのたたかいに全力をあげる決意を表明するものです。
以上