2007年 7月 5日 全日本教職員組合 中央執行委員会
第166国会は本日閉会しました。
今国会は、安倍内閣と自民、公明の与党が、改憲と教育改悪、貧困・格差の拡大にむけての暴走に終始した国会でした。
大企業や資産家への減税の一方で、定率減税廃止など庶民大増税を盛り込んだ2007年度予算を通し、国民が税負担にあえぐ、重大な事態となりました。
また、多くの国民の反対を押し切って改憲手続き法の強行をはかるとともに、世界の流れに反して、アメリカのすすめる戦争に参加する米軍再編法、イラク特措法延長などの法律も強行してきました。
安倍内閣と与党は、改悪教育基本法の具体化である教育改悪3法案を国会に提出し、数知れない問題点が浮かび上がったにもかかわらず、数を頼んで強行をはかりました。
私たちは、改憲手続き法案や教育改悪3法案に対して、多くの諸団体とともに、たたかいを繰り広げ、政府・与党を追い詰めました。
憲法を踏みにじり、平和と国民生活に背を向ける安倍内閣に対する国民の批判は大きく高まってきました。それに加えて、年金記録消失や松岡農水相自殺問題などの問題が重なり、内閣支持率が2割台に下落する事態が生まれました。
しかし安倍内閣は、国民の批判に対して居直り、国会会期を延長してまで、「年金特例」・社保庁解体、国家公務員法改悪の強行をはかりました。しかも、会期延長は審議を尽くすためのものでなく、年金問題での国民の批判を沈静化のために投票日を延ばすためのものであったことは許しがたいことです。久間防衛相の原爆投下容認発言の擁護に及んで、「政治危機」ともいうべき事態となっています。
「従軍慰安婦」への軍関与否定や、「靖国DVD」の文科省委託事業採択に対しては、国内外から批判が高まっています。
今国会は、憲法と教育、くらしを守る勢力が国会内で少数であることの悔しさを痛感させるものでした。私たちは、憲法改悪と国民生活切り捨てにむけて悪法の強行をはかった安倍内閣と自民、公明の役割を明らかにし、なんとしても参議院選挙で明確な審判を下さなければなりません。同時に、改憲手続き法案に対しても教育改悪3法案に対しても、本質的に変わらない「対案」を出して、客観的には悪法成立に重大な役割を果たした民主党の問題点も明らかにしなければなりません。
私たちは、憲法と平和を守り、憲法を生かす教育をすすめるとともに、貧困と格差の拡大を許さず、国民生活を守る政治の実現をめざして、当面する参議院選挙闘争に全力をあげる決意を表明するものです。