『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年12月号 11月20日発行〉

【特集】登校拒否・不登校から見える景色――安心できる居場所がほしい

  • 全教共済
ニュース

教育改悪3法案は廃案に!07夏季闘争5・25第1次中央行動を実施!

 全教と教組共闘は、「教育改悪3法案の阻止、最低賃金改善、「公務員制度改革」関連法阻止、民主的行財政の確立を!」をかかげ、07夏季闘争5・25第1次中央行動を開催しました。


 この行動には、全国と首都圏からおよそ100人余が参加し、全教・教組共闘の意思統一集会を皮切りに、公務員制度改悪反対、賃金改善等を求める人事院、社会保険庁、財務省、経済財政諮問会議などへの要求行動、全労連・国民春闘共闘・公務労組連絡会主催の「最低賃金引き上げ、公務員賃金改善、民主的公務員制度の確立 07夏季闘争勝利!5・25中央総決起集会」、国会請願デモ、国会議員要請行動を展開しました。

 11時30分から衆議院第一議員会館の会議室で開いた全教・教組共闘意思統一集会を開き約80人の参加者が意思統一しました。
 
 国会報告を行った日本共産党の石井郁子衆議院議員は、「重要法案がこの期に及んで審議入りしている。国会というところは何が起こるか分からない。そういう意味で、与党は最後の週は空けておきたいとして、『6月15日くらいまでにこの教育3法案は通したい』と言っているが、日を数えるといくつもない。参考人・公聴会を徹底してやれ、というような要求を出していくならば、追い詰めて行くことができる。これからががんばり時だ」と強調。「みなさんが現場に足をおろして、地域のみなさんとともにたたかいを広げることを期待し、廃案までとも力を尽くしたい」と述べました。

 また、情勢報告で山口全教副委員長は、国会論戦を通して、教育改悪3法案の明らかになった本質について、次の3点を指摘しました。
 
① 学校教育法を改悪して押しつけようとしている「愛国心」の中身がはっきりした。日本青年会議所が作成した靖国史観そのもののDVD「誇り」。中身は、過去の侵略戦争を「自存自衛の正義の戦争」「アジア解放の戦争」と描き出し、「村山談話」をも踏み越えたもの。このDVDを文科省が「新教育システム開発プログラム委託事業」に位置づけて、言わばお墨付きを与えた。従って、彼らが押しつけようとしている「愛国心」の中身そのものが、侵略戦争賛美の中身なのだということが明らかになった。
 
② 地教行法に「指示」や「是正要求」を入れ込んで、国の関与を強めるという問題。伊吹文科大臣は「学校が卒業式などで国旗を掲揚せず、国歌も斉唱しなかった場合も『是正要求』できる」とした。法案では「子どもの教育を受ける権利が侵害されている場合」と書かれているが、その中身は、つまり時の政府が決める教育内容を教えなかった場合に「是正」するというもの。従って、学校教育法を改悪して、「副校長」「主幹教諭」「指導教諭」などを置くこととしているが、時の政府⇒教育委員会⇒校長⇒副校長⇒教頭⇒主幹教諭⇒指導教諭⇒教諭という上意下達の形をつくって、「愛国心」を子どもと学校に押しつけようとしていることがはっきりした。
 
③ 教員免許更新制は、それに従わない教員の免許を剥奪して失業させる。そして、教特法では10年を待たずに「指導不適切」――この「指導不適切」というのは、一般の教育指導ではなく、「愛国心」指導をしなかったことをもって、「指導不適切」として教壇から追い出すというシステムづくりなんだという、とんでもない中身が明らかになった。
 
 その上で山口全教副委員長は、全教・教組共闘・全国センターは教育改悪3法案の本質を明らかにしたビラを70万枚作成したこと、5分間の宣伝スポットも急遽作成したことなどを紹介し、活用を訴えるとともに、6月1日に予定している大規模中央行動と夜の大集会を成功させることを呼びかけました。
 最後に、「文字通り、教育基本法闘争のようにたたかおう、ということを合言葉にして、今から1カ月をきった国会会期末(6月23日)までの奮闘で、何としても廃案に持ち込む。ともにがんばっていきたい」と力を込めました。

情勢報告:山口隆 全教副委員長 詳細はコチラ

 決意表明では、「これからの若い人たちのために環境をつくるのが私たちの役目。教員免許更新制など含む教育3法案を廃案にするためにがんばりたい」(宮城高教組)、「教育基本法の改悪を許さないたたかいの時のように、教育改悪3法案のたたかいを大きくしたい。今週、職場集会を提起している。これを契機にしながら大きなたたかいにしたい」(大教組)と決意を語りました。

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