『クレスコ』

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クレスコ

〈2024年12月号 11月20日発行〉

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全教、CEART勧告で文科省と協議  文科省が勧告を受けとめ、CEART第4次・第5次勧告などを全国に配布



 昨秋3年ぶりに開催されたCEART第10回会議の報告・勧告(第5次)が、12月8日付で全教に送られてきたことを受けて、全教は2月3日に文科省と協議を持ちました。文科省は米原泰裕教育公務員係長と小倉洋英調査係が対応し、全教からは北村佳久書記長、蟹澤昭三中執と中村尚史中執が出席しました。

 勧告の主な内容は、「政府と教員団体がILOとUNESCOの助言活動と尽力を利用して、協議・社会的対話制度、教員評価、行政評価などについての情報や手本となるようなグッドプラクティス(優れた実践例)を入手する」ことをはじめ、「政府と教員団体が、ILOとUNESCOと協力し、双方が受け入れられるような1966年勧告の日本語訳を作成する」ことや「2008年の第4次勧告と調査団報告を地方教育委員会に情報として送付すること」などです。今まで以上に、日本の状況を具体的に改善したいというCEARTの決意に満ちています。

 全教の要請に対して、文科省は、「CEART勧告や『教員の地位に関する勧告』(以下、1966年勧告)の精神を尊重することは従来から言明している。しかし、日本には国内法規の制約がある」としたうえで、「今年1月の都道府県人事担当者会議で、日本語仮訳をつけた今回の(第5次)勧告と英文の2008年の(第4次)勧告および調査団報告などを配布し、説明した」ことを明らかにしました。貴重な一歩です。さらに「第4次勧告と調査団報告の日本語訳など、都道府県教委から問い合わせがあれば対応を検討したい」と、これまでにない回答も得ました。今回の文科省の対応をふまえて、各都道府県での協議をすすめていくことが求められています。
 残念ながら、勧告で求められている1966年勧告の日本語訳の作成については、「(勧告の要請は)『日本語訳作成』ということではなく、日本における『理解促進』ととらえている」としたうえで、「1966年勧告の内容は明確であり、内容理解という点で不明な点はないので(勧告で求められている)行動をとる必要はないと考えている」としました。しかし、1966年勧告そのものがCEARTのとりくみによって発展しているものであることは動かしがたい事実です。今日の日本の教育実態に即して、1966年勧告の内容がさらに具体化されていくことが重要です。ひきつづき、必要に応じてCEARTに関する協議を継続していくことを確認して今回の協議を終えました。

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