全国教育文化会館で開催された「つどい」には、全国各地から教職員、父母、高校生、教育関係者ら140人が参加。子どもたちの置かれている現状やとりくみを交流しました。子ども全国センターの三上満代表委員が開会あいさつをおこなったのに続いて、神戸大学教授の二宮厚美さんが、「貧困と格差をなくし安心して学べる社会を−教育費無償化をさらにすすめよう−」との演題で、講演をおこないました。
講演の中で二宮さんは、現代の日本社会における子どもの生活を考える場合には、給与所得など貨幣所得の水準が子どもの生活を左右するという面と、保育・福祉・教育・医療などの社会的なサービスの内容が子どもの発達を左右するという面の、二つの側面から迫ることの重要性を指摘しました。そのうえで二宮氏は、子どもの貧困を克服し、生活・発達を支えるために、生活扶助、児童手当、就学援助などによる現金給付型の所得保障を充実するとともに、保育・教育・医療・福祉など子どもにたいする社会サービスの公的給付と無償化を充実する、二重の制度確立の必要性を強調しました。
「つどい」の中では、各分野からミニ報告がおこなわれました。全教からは「2・11教育費緊急ホットラインのとりくみ」、家庭裁判調査官からは「調査官からみた子どもの実態」、東京・父母からは「義務制学校での教育費の父母負担の実態」、学校事務職員からは「『無償教育をめざす学校事務職員の会』のとりくみ」、定時制高校生からは「『お金がないと高校に行けないの 首都圏高校生実行委員会』のとりくみ」、弁護士からは「国際的にみた日本の子どもの権利の実態」が報告されました。
「つどい」では、アピール「貧困と格差をなくし、安心して学べる社会を−教育費無償化をさらにすすめよう−」を採択。全教中央執行副委員長の加門憲文さんがまとめと閉会のあいさつをおこない、「つどい」を閉じました。