全教・教組共闘連絡会は12月4日、都内で「臨時教員問題の改善を求めるシンポジウムを開催しました。シンポジウムには教職員、学者、市民ら95人が参加しました。
シンポジウムは学校現場に増え続ける臨時教職員の多用の実態を明らかにし、その改善の方向をあきらかにしようと、開催されました。学校現場ではたらく非正規の教職員をテーマにした全教、教組共闘連絡会の集会、シンポジウムの開催は初の試みです。
主催者あいさつ、基調報告に続いて行われたシンポジウムでは、NHK番組「教育に穴が空く」の制作にかかわった丸岡裕幸さん、大阪教職員組合副委員長の辻保夫さん、千葉大学名誉教授の三輪定宣さん、臨時教員の石橋正一さんがシンポジストとして発言しました。千葉大学名誉教授の三輪さんは「80年代以降の教育政策、構造改革の特徴は、教育の軽視、教育の専門性の軽視であり、臨時教職員の多用はそれと軌を一にしている。21世紀の世界と日本の未来は教育にかかっている。その教育でこんなひどい手抜きは許されない。労働者、国民の課題として大きく発信してほしい」と述べました。
シンポジストの発言に続いての会場発言では教職員、研究者、PTA関係者ら13人、そのうち、臨時教員が6人発言しました。シンポジウム全体をとおして、父母、住民や教職員に臨時教職員の実態を知らせることの重要性、教育活動を支える臨時教員の経験をふまえた正規採用化など今後の課題、とりくみの方向が明らかにされました。
シンポジウムの最後にコーディネーターの今谷賢二教育文化局長は、「子どもと教育の充実にとっても、教職員のはたらき方にとっても、これ以上臨時教職員の多用は放置できない事態だ。中教審の提言での臨時教員問題への異例の言及は、今後の学校教育のありかた、教育政策を考えるにあたって重要な課題となっていることを示している」とまとめました。