2020年に文科省が高校の「普通科改革」「専門科改革」の方針を打ち出し、とりわけ全体の7割以上を占める普通科の解体は大きな影響をもたらしています。文科省は今年7月、普通科改革支援事業の採択校を発表し、第二次募集も併せて「改革」推進校を増やしています。
一方、この間高校統廃合や学科再編が全国で推し進められるとともに、各校は「魅力づくり」「特色づくり」に追われました。さらに私学への進学増や広域の単位制・通信制高校の台頭と拡大で、公立高校の定員割れが深刻化しています。
国は「Society 5.0に向けた人材育成」のもとにICT化やSTEAM教育を急速に展開し、現場では「人材」づくりとしての教育がいっそう強まっています。このようななかで、高校教育が子どもたちの学ぶ権利を保障できるのかどうか、その役割があらためて問われています。
本特集では、再編と多様化の進む高校の現状と課題を共有し、高校教育に今何が求められているのかを考え合う契機としたい。