障害児教育部は7月27日、文科省に対して「豊かな障害児教育を前進させるための要請書」にもとづく交渉を行いました。
交渉には、全教障教部から7名が参加しました。交渉の冒頭には、文部科学大臣あての「特別支援学級の学級編制基準の改善を求める要請署名」14518筆を提出しました。
要請書への回答は、設置基準の策定については、「特別支援学校は障害に応じた多様な設備が必要なため設置基準は設けていない。学校設置については設置者の責任で行うことになっている。文科省としては教室不足の調査を行い、解消のための計画的な取り組みを推奨している。学校建設にあたって助成制度を設けている」という従来通りの内容でした。特別支援学級の定数改善については「学級編制は義務標準法にもとづいて行っている。特別支援学級の学級編制は障害種ごとに行うこととしていて、通常の学級とは異なり2以上の学年の編制になることもある。公立学校の特別支援学級は半数以上が4人以下になっている」との回答がありました。
障教部の代表者は、特別支援学級の在籍児童生徒の障害の実態が多種多様で、学年差もあり、学年が複数にまたがると、今の基準では十分に対応できない実態を伝えました。そして、通常の複式学級が3学年にまたがらないよう決められ、1年生がいる場合には少人数での編制が認められているのだから、特別支援学級も同様に考えてほしいこと等を要望し、学級編制基準を改善してほしいと訴えました。
また、障害児学校では、「柔軟な対応」のもとで1教室を2クラスで使用したり、特別教室を普通教室に転用したりしていること等を訴え、改善を求めました。また、毎年行っていた教室不足調査がなぜ毎年でなくなったのかを問うと、「現場の負担が大きく、国からの調査が多すぎるから減らしてほしいという要望があり、どの調査をどのような頻度で行うかを検討中である」という返答でした。障教部からは「調査は引き続き行い、特別教室の普通教室への転用数なども正しくつかんでほしい」という要望を伝えました。
特別支援学級の学級編制基準が実態に合わなくなっているので「今はこう決まっているから」ということではなく改善の方向を検討してもらいたいこと、特別支援学校の設置基準があれば特別教室がつぶされることも防げるのでぜひ策定してほしいという要望を再度伝え、交渉を終えました。