全教障教部は、第16回総会を4月23〜24日、東京・全国教育文化会館で開催しました。
特別支援教育関連法案の通常国会への提出は見送られながらも、文科省関係者が「特別支援教育は始まっている」と力説している状況の中、障害児教育リストラを許さない、法・制度改革を許さない壮大な国民的な運動が求められています。全教北村書記次長、日高教北野副委員長、障全協吉本会長の連帯のあいさつの後、方針の提起を受けて各県代表の熱のこもった討論が繰り広げられました。
杉浦部長からの「障害児教育をとりまく情勢ととりくみの重点」の提起では、「学校が壊されている」とという障害児学校員の悲痛な叫びに表されるような全面的な「特別支援教育化」が行われ、①在校生にかかわる教職員の削減や、学校や寄宿舎の統廃合・能力主義的再編成、②上意下達の学校管理システムへの改変、③障害児教育内容の根底的転換、が進み始めていることにしっかり目を向けることの重要性が強調されました。本年度方針では、教育破壊の攻撃と切り結び、障害児教育の現状と課題をとらえ、子どもの声、父母の声、同僚の声に寄り添いながら学校づくりをすすめていくための具体的な方針が提起されました。
総会では下記のアピールを採択しました。
全教障教部総会アピ−ル
教育の目的は、真理と平和を愛し、勤労と責任を重んじ、一人ひとりが豊かな人格の完成を目指すこと。
私たちは、憲法第9条にノーベル賞を与え、世界のどこでも平和な社会になるよう、国際的に名誉ある地位を得たい。
私たちが、子どもたちに育てたい人格は、憲法と教育基本法に銘記されている。
今国会で論議されている「障害者自立支援法案」は、「応能負担」から「応益負担」とし、障害児の自立を奪おうとする。
私たちを取り巻く状況は、市場原理に基づいた、管理統制強化と安上がりのコスト論、子どもや国民のためではない論理がまかり通ろうとしている。
お金をかけない「特別支援教育」は、いくら美辞麗句を並べたところで、従来の障害児教育を維持し、発展させ発達保障を追求できる、権利としての障害児教育にはならない。
生き残りをかけた地球規模の大競争時代は、国民生活や弱者のあらゆる分野に市場原理を持ち込んでいる。国の方向性を変える国民的たたかいの構築が求められている。
私たちは、何よりも平和を希求する障害児・者の人格形成の教育をすすめたい。
私たちの教育的営みは、胸躍る世界である。
それは、子どもたちの豊かな発達を願い、きめ細やかに丁寧に時間をかけ、職場の人間関係を暖かく育み、一人ひとりの教職員が主体的に参加していく面白い世界である。
私たちは、誰もが等しく能力に応じて教育を受けることができる、教育基本法を維持・発展させたい。子どもの瞳輝く学校をつくろう。
60年前に、数知れない犠牲の上に成立した日本国憲法は、戦力は持たず、戦争を永久に放棄することを高らかに宣言した。
憲法の理想の実現は教育に負う。だから、教育基本法を変えようとする勢力が存在する。
石原東京都政は、「命がけで憲法を破る」という。日の丸・君が代の押しつけ、成績主義による管理統制強化、息詰まる多忙化、東京発全国行きの教育破壊を押し進めようとする。
都政を変えよう。都議会議員選挙において民主的な都政を推進する勢力を前進させよう。
戦争や侵略を企て、やりたい放題の市場原理を追求している勢力に未来はない。
教え子を再び戦場に送らない、戦争のない地球と国・地方政治の革新を実現しよう。
私たち、教育労働者は、教育の未来をかけてがんばらねばならない情勢下に生きている。
地域から父母と共同し、どの子も大切にされる教育、豊かな教育条件整備を確立する運動を強めよう。
ともに未来を開くなかまを増やし、本音で語り合える職場づくりを進めよう。
憲法・教育基本法が真に花開く世の中を目指し、全教方針を職場や地域で実行し、全教組合員を増やし、この大道を歩もう。
2005年4月24日