全教は3月13日(水)、文部科学省と「2024年春闘要求書」にもとづく交渉をおこないました。全教から宮下直樹中央執行委員長をはじめ6名、文科省からは安井順一郎初等中等教育局財務課長はじめ6名が参加しました。
要求書の手交に続き、宮下中央執行委員長が、全教など「働き方ネット」の緊急アンケート調査では、「教員不足」の発生の要因として、長時間労働等を過半数が挙げており、その解消のために教職員増、すべての学校種での少人数学級の実現などの条件整備、残業代支給のしくみを求めていると述べました。また能登半島地震において被災した子どもたちの就学支援、安全確保、心身のケアのために教職員の緊急的加配措置の重要性、物価高騰等のもとで、すべての子どもたちが安心して学ぶことができるために学費の無償化または負担軽減のための施策、全国学力テスト悉皆実施の中止を強く求めました。
「限定4 項目以外の教員の時間外労働を命じることは違法であるとする給特法の趣旨を、すべての学校に徹底すること。在校等時間や持ち帰り業務を労働時間と規定し、実際におこなった時間外勤務については、時間外勤務手当・休日勤務手当が支給できるよう給特法の改正をおこなうこと」という全教の要求に対して、文科省は、「給特法に基づく指針の趣旨の周知徹底、それに応じたそれぞれの教育委員会のとりくみ状況の確認、適正な勤務実態の把握、改善についてしっかり行われていくよう周知徹底する」と述べるとともに、「給特法のあり方について、具体的に検討すべき課題であろうと認識している」と回答しました。
また、「全国的に教育職の賃金水準を確保するために全人連モデル給料法が適正に作成されるよう、人事院と全人連に対し所管官庁として助言・援助すること。定年年齢引き上げにともない生じている60歳以降の教職員間の処遇の差を解消すること」の要求に対しては、「全般的な教育職員の処遇改善について、人材確保法の趣旨を十分踏まえて、抜本的に見直していくという方向性」を示し、「全人連と必要に応じて意見交換などもおこなって」いくこと、職務給の原則から、再任用職員と定年延長した職員の賃金格差は解消されるべきとして、再任用賃金水準調整を指摘した今年度の広島県の人事委員会勧告について、「問題意識をもつ」と述べました。
最後に「学校の教育活動に必要な教職員は正規採用で確保することを基本とし、定数内の臨時教職員の配置はおこなわないこと。「教育に穴があく」(教職員未配置)問題や代替者配置の遅れなどをただちに解消すること」については、「正規教員の採用を求めることについて昨年の1月に、それぞれ任命権者である教育委員会あてに、文部科学省の方から通知を出して周知」していることや、「先読み加配」について「来年度、義務制のこの加配を活用して、教諭以外の別の職種」についても拡大することをあらためて確認できました。
全教からは、ゆきとどいた教育実現のため、「先読み加配」が現場から歓迎されている実態とともに、高校への拡大、年度末までの継続措置を強く訴えました。