『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2025年1月号 12月20日発行〉

【特集】障害のある人のいのちと尊厳―優勢思想をのりこえる

  • 全教共済
ニュース

東日本大震災で被災した教職員と子どもたちの救援を求め 文科省と公立学校共済組合に緊急要請

 11日の東日本大震災の救援のため、全教は、本部内に東日本大震災対策本部を設置し、教職員と子どもたちの被災状況の把握や救援活動をただちに開始してきましたが、3月16日、2011年春闘要求交渉に先立ち、日高教とともに、文部科学省に緊急の要請を行いました。全教からは山口中央執行委員長、北村書記長はじめ9人の役員、日高教から加門委員長が参加しました。引き続き、同日午後、全教は、北村書記長はじめ4人の役員が参加し、公立学校共済組合本部に緊急要請書を提出し、組合員とその家族の生活を守るために役割を発揮することを求めました。

写真:文科省に要請する山口隆全教委員長

文部科学省への要請
 文部科学省への要請では、全教山口中央執行委員長が「東日本大地震にかかわる緊急要請書」を手渡したあと、全教として中央執行委員会のもとに対策委員会を立ち上げ、つぶさに実情をつかみつつ、全国に義援金のとりくみなどを要請していると述べたうえで、「何より人命尊重のため、いま困っている子どもと教職員を救済し、子どもの学習権保障のための学校教育が一日も早く再開できるよう、組合と教育行政の立場の違いを超えて互いに努力していく必要がある」と表明し、要請内容への真剣な検討と緊急の対策を求めました。提出した緊急要請書には、未曽有の被害を受けた子どもたちと教職員に対する十分な救援、避難施設として使われている学校に対する支援、教育活動再開に向けた支援、被害を受けた学校施設の復旧など6つの分野について20項目の当面する要求が含まれており、引き続き、その実行を求めていきます。
文部科学省からは、初等中等教育局の伯井財務課長が、文部科学省として被災の現状把握と学校の早期再開のための対策につとめていると述べ、「教育活動の早期再開、復旧にむけ、ありとあらゆる施策、手段を使ってできる限りの対応をしていく。ご理解ご協力を願いたい」とこたえました。

公立学校共済組合への要請
 公立学校共済組合本部への要請では、北村書記長が、地震で被災した教職員とその家族の生活を守るために、既存の制度を目いっぱい活用するとともに、実情に合った必要な対策を講じるよう求めました。対応した共済組合本部の企画法規室の山室室長補佐は、阪神淡路大震災の時と同様の対応をすみやかに実施するとして、組合員証を紛失した場合でも組合員であることが確認できれば診療できるようにするとともに、窓口負担の猶予や減免などについても検討していることを明らかにしました。また、災害見舞金については、居住地域で全壊などを判断し、罹災証明書など詳細な書類がなくても必要な対応を行うことや、各県支部の対応任せではなく本部としても責任をもって対応すること、一時的な避難のために公立学校共済施設を利用する被災者や被災した受験生については食費代のみとし宿泊代金は無料とすることを明らかにしました。各県で、共済施設を被災者や家族の受け入れのために積極的に開放することを求めるとりくみが重要となります。


公立学校共済組合に申し入れする北村書記長ら

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