全教は2月13日、14日の2日間にわたって第38回定期大会をオンラインで開催しました。積極的な討論が展開され「2021年度運動方針およびスローガン」をはじめとする12の議案を採択するとともに、2021年度~22年度を任期とする新たな役員を選出しました。
大会の冒頭で小畑雅子中央執行委員長は、全教結成30年を迎える今回の定期大会で、コロナウイルス感染拡大というかつてない状況のなかですすめてきた全教運動の教訓を汲みつくし、新たな発展へと向かおうと大会の意義を述べました。政府が「令和の日本型教育」と称して、政府や財界にとって使い勝手の良い人材づくりをめざす「教育再生」をすすめようとしているのに対して、コロナ禍の中で生きる子どもたちにていねいに寄り添い、子どもの実態から始まる教育課程づくりと参加と共同の学校づくりが求めれていると強調しました。そして、少人数学級の前進と特別支援学校の設置基準の策定の具体化は、全教が職場と地域を基礎に、教育全国署名のとりくみや教育基本法闘争で培ってきた幅広い共同という全教運動の真価が最大限発揮されたものであることに確信を持って、コロナ禍の中でいのちとくらし、人権を大切にする社会を実現するという切実な要求を高く掲げ、声を上げ続けようと呼びかけました。
大会討論は「『20人学級』を展望した少人数学級の実現、特別支援学校の実効ある設置基準策定をもとめるとりくみなど、憲法に立脚し、すべての子どもの成長・発達を保障する民主教育を父母・国民とともに前進させるとりくみ」など4つの柱に沿って進められ、62の発言がありました。コロナ禍の中で教育の原点とは何かが問われているもとで、保護者や地域の人々との共同を広げるとりくみと、子どもたちの実態から始まる教育課程づくりの具体例がいきいきと語られました。全国で「1年単位の変形労働時間」をめぐるたたかいが攻勢的に展開されており、条例が制定されても学校に導入させない粘り強いとりくみや、この制度が長時間過密労働の解消につながらないばかりか、教職員間の共同や連帯を壊すという問題点が指摘され、改めて職場からのとりくみが重要であるという認識が共有されました。また、組織建設の「新たな3か年計画」の最終年度を迎えるにあたり、2020年度はコロナ禍の中で集まることをあきらめないとりくみとともに、オンラインでつながる可能性も追求されており、ハラスメントの解消や会計年度任用職員制度の改善などの要求を図るなかで新たな加入者を迎えている例や、青年教職員が集いあい、学び合える場としての組合の魅力を語り、組合運動の当事者となっていることも明らかになりました。
討論を受けて檀原毅也書記長は、2020年度の要求の前進の到達を築いたからこそ見えてきた新たな課題に向け引き続き、共同を広げるとりくみが求められていることとともに、日々の教育活動や組合の活動が憲法の理念を実現するとりくみであることや、衆議院選挙の重要性、そして全教の存在や全教の組合員であることが私たちの勇気の源であることが確認されたと討論のまとめをおこないました。
大会の最後に特別決議「コロナ禍で明らかにされた教職員組合の意義と全教運動への確信を力に、対話を広げ仲間を増やし、「新たな3か年計画」最終年度の目標総達成を実現しよう!」と、大会アピールを採択して2日間の日程を終了しました。