全教は8月7日、「2021年度政府予算に対する文部科学省概算要求に要求書」に基づく文科省交渉を行いました。交渉には、全教から小畑委員長はじめ計9名、文科省からは、森友初等中等教育局財務課長はじめ計6名が参加しました。
冒頭に、小畑委員長が、新型コロナウイルス感染拡大のもとでの学校再開の困難さや子どもたち、教職員の状況を語り、安全安心の学校をつくるために、教職員増と長時間過密労働解消などのための条件整備が国の責任において行われることが重要と訴えました。
全教は、少人数学級実現、特別支援学校の設置基準策定、全国学テの悉皆実施中止、教員免許更新制の廃止の4項目を重点的に要求しました。
文科省は、第2次補正予算による教員加配について「(国庫負担でない)3分の2についても国の地方創生臨時交付金で確実に手当てされ」ており、「引き続き予算があるので申請を募っている」としました。現場の負担となっている消毒作業についても「教員の仕事ではない」と話し、学校再開支援経費による業務委託等を活用してほしいと答えました。また、少人数学級について、ICT化により「個別最適化」をすすめることは、「ケアが必要になる必要性が高まっていくと認識」しており、そういった観点から「きめ細かい指導を行うために少人数にしていく必要があると考えている」と述べました。併せて「2021骨太方針」に「少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備」という文言が入ったことにふれ、政府の予算編成方針にこのような文言が入ったことの意義をふまえ、しっかり検討を行っていくと答えました。
特別支援学校設置基準の策定については、文科省の「有識者会議における議論をふまえ、今後具体的に検討をすすめてまいりたい」とする回答に対し、全教は設置基準策定が現実的になったことへの期待と、策定にあたっては現場の声を聴くことを強く求めました。
全国学テについては従来と同様の回答を繰り返し、免許更新制については、コロナの影響による有効期間の延長について都道府県教委に周知徹底を図っていること、中教審において教員免許更新制や研修の在り方に係る包括的な検証をすすめていることを話しました。
全教は、少人数学級や設置基準の問題を大きな運動にしていくことを述べ、文科省に教育条件整備に全力を挙げることを求めて交渉を終えました。