全教は、6月15日、文部科学省に対し、「給特法一部改正法」成立時の「スケジュール表」を撤回し、「1年単位の変形労働時間制」の導入を中止するよう、要請しました。
「1年単位の変形労働時間制」について、昨年12月に文科省が示した「スケジュール表」では、3月末までに制度導入のための「省令・指針」「条例・規則」の例を公表し、各都道府県・政令市の6月議会・9月議会で条例を制定することが予定されていました。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大により、「省令・指針」制定の条件となる中央教育審議会初等中等教育分科会の審議は行われていません。同時に、突然の「休校要請」やその延長が繰り返されるとともに、夏季休業の大幅短縮がおしつけられるなどの実態をふまえれば、学校には、「1年単位の変形労働時間制」を導入する条件も見通しもないことがあきらかになっています。
全教は、要請にあたり、①「今は、12月に法改定が行われた時とは全く違う事態であり、制度導入の手続きをすすめる時ではない。感染防止によって子どもの命を守り、学習権を保障するための施策に全力を尽くすべきである」、②「在校等時間の上限指針を策定した教育委員会の中には、取得できなかった休憩時間まで一律に勤務時間から削除するシステムを使っている例がある。在校等時間の正確な把握、上限指針の厳守という、制度導入の条件が整っていない」の2点を指摘し、「1年単位の変形労働時間制」導入を中止するよう、強く求めました。