大学入試の民間英語検定利用は「延期」されましたが、大学入学共通テストの国語・数学の「記述式」についても多くの問題が指摘され、高校生や保護者、教職員などから中止を求める声が日に日に大きく広がっています。
全教は、11月13日に、「記述式」の中止を求める緊急署名を全国に呼びかけました。
「大学入学共通テスト」の国語・数学での「記述式」導入は作成・採点を民間事業者に丸投げするものであり、英語民間検定利用と共通の問題をもつものです。わずか1か月足らずの期間に50万人もの受験生の採点をおこなう上で採点の質担保と採点者の確保ができるか、試行調査の段階で明らかになった自己採点との不一致率が3割もあり2次試験出願に影響を及ぼすことが懸念されるなど、重大な問題を抱えたまま実施されようとしています。
しかし、萩生田文科大臣は11月8日の参議院予算委員会で「採点しやすい、きちんとした制度をつくり上げていく」と述べ、予定通り実施する方針を強調しました。受験生にとって公平公正な大学入試制度とするには、「記述式」導入を中止し、抜本的な見直しをおこなうことが必要です。「大学入学共通テスト」を中心とする「大学入試改革」に対する不安や不信感が高まり、大学入試そのものへの信頼性が大きく損なわれている現状をふまえ、文科省にはこのような不安や問題を払拭することが求められていれます。