『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年11月号 10月20日発行〉

【特集】ともに歩もう! ジェンダー平等と教育の世界へ

  • 全教共済
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2020年度政府予算に対する文部科学省概算要求にかかわる交渉を実施

 全教は8月6日、「2020年度政府予算に対する文部科学省概算要求に要求書」に基づく文科省交渉を行いました。交渉には、全教から小畑委員長はじめ計10名、文科省からは、合田初等中等教育局財務課長はじめ計4名が参加しました。


 冒頭に、小畑委員長が、安全安心な学校、35人学級の前進などすべての学校種での学級編成基準の改善、教職員の長時間過密労働解消等のための条件整備が国の責任において行われることが重要と述べ、特に「働き方改革」について抜本的な改善のためには定数改善が不可欠であり、全教も呼びかけ人となって行っている「せんせい ふやそう」キャンペーンに寄せられた切実な声を真摯に受け止めてほしいこと、また、教員の未配置問題が全国に広がり深刻な現状であることを指摘し、それを解決するためにも標準法改正や抜本的定数改善、臨時・非常勤教職員の多用政策からの転換、教職員の働き方の改善等が必要ということを改めて要望しました。

 全教は、教職員増、担当授業時数の上限設定、教育無償化、特別支援学校の設置基準策定の4項目を重点的に要求しました。

 文科省の回答は、標準法の改正については、H29年度の法改正に基づき、通級指導や日本語指導、専科教員の加配をすすめていること、現時点では学級規模や複式学級の扱いを変えるという計画はないと述べました。

 担当授業時数の上限設定については、小学校の持ちコマ数の多さは認識しているとし、専科教員を入れることで持ちコマ数を減らすことを含め条件整備をしていきたい、加えて4月17日の中教審で諮問された小学校高学年の教科担任制の導入なども今後議論し検討していくと答えました。

 教育無償化については、来年度からの私立高校の支給額上乗せなど前進面を語りながら、無償化が参院選でほとんどの政党の公約になった今こそ「根本的に教育は無償であるべき」という理念を国が打ち出すべきではという全教の主張に対しては、消極的な答弁にとどまりました。

 特別支援学校設置基準の策定については、10年来文科省の回答が変わっていないことを指摘し、国会で安倍首相も「放置する気は全くない」と述べたことを踏まえ、具体的な対策を迫りました。

 文科省は「要望をしっかりと受け止めたい」としつつ、予算や制度については最終的に国民的合意が必要であり、その合意を広げていくことが必要と話しました。全教は、教育をどう考えるのか国の姿勢が問われており、教職員や保護者、子どもたちの願いに応える姿勢をみせてほしいと強く要望して交渉を終えました。

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