『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
ニュース

憲法をいかし、平和を守り真実をつらぬく教育と社会を =のべ4200人が集い、語りあった「教育のつどい2018」=

 「教育のつどい2018」は、817日からの3日間、長野県長野市で開催され、のべ約4200人の父母・保護者、市民、教職員の皆さんの参加を得て大きく成功しました。憲法を守りいかすのか、憲法を改悪して日本を「戦争する国」へとつくり変えるのかが、鋭く問われる情勢のもとで開催され、平和を守り真実をつらぬく教育と社会をどうつくりあげるのかが問われる中で、子どもたちのありのままから出発し、一人ひとりの成長・発達を保障する教育の大切さが確認された集会となりました。



「こわしてはいけない 私たちの憲法」

 「明日望みてこの地につどい 育てる稲穂に栄あれ」と善光寺木遣りを「保存会」のみなさんに唄っていただき始まった開会全体集会には、約1200人が参加しました。「『憲法改正』が教育をこわす~ジャーナリズムの視点から」とのテーマで行われた青木理さん(ジャーナリスト)の講演は、お二人のインタビュアーの方の質問に答える形で行いました。森友・加計問題やメディアと教育への政治介入、安倍政権がねらう改憲等について縦横に語るとともに、「自分たちの手で民主主義をつくることが大切」と若者へのメッセージを送っていただきました。

開会集会現地企画は、「ナガノ-歩んできた道、歩んでいく道-仲間とともに」と題し、「2・4事件(教員赤化事件)」「満蒙開拓青少年義勇軍」などの「負の歴史」から平和教育をすすめてきた豊かなとりくみが紹介されました。高校生の朗読によって「こわれそうになっても こわしてはいけない 私たちの憲法」と謳いあげられ、参加者の大きな感動を呼びました。また、県内各地で戦争体験を聴き取り、歌い語り継ぐ清水まなぶさん(長野県出身のシンガーソングライター)の歌声から、「こわしてはいけない」ものを守る勇気を得ました。

子どものありのままから語ること

 7つの教育フォーラムは、高校生や大学生の報告も得て、父母・保護者、市民、教職員、教育関係者が一緒になって、子どものことや教育と社会について語り合いました。立場を超えて語り合ったことは、子育て・教育にかかわる、ゆたかな学びとなりました。 

 30の分科会では、多くの若い世代のレポート報告が行われ、これまで積み上げられてきた民主教育の理論と実践とともに討論し交流されました。子どもの声を聴くこと、子どものありのままから語ることの大切さとともに、これまで積み上げられてきた教育研究活動の成果と実践を語り合い、共有することの大切さが確認されました。特定の指導方法・評価方法が押しつけられ、「〇〇スタンダード」などが強制されているもと、教育の自由と自主的で豊かな教育研究活動にもとづく専門性が重要となっています。父母・保護者、市民、教職員がともに参加と共同の学校づくり・教育課程づくりをすすめる重要性があらためて確認されました。 

 今年度は特設分科会①「『道徳教育』のあり方を考える」が設けられ、「道徳の教科化」や高校での道徳教育の強化がすすめられようとしているもと、子どもたちの発達や人格形成にとっての、道徳的な問題について考えたり実践したりすることの積極的な意義について論議されました。

 特設分科会②では、戦没画学生慰霊美術館「無言館」と松代大本営地下壕のフィールドワークを行いました。参加者から「画学生の絵への愛や創作の喜びがひしひしと感じられ、彼らが戦没したことに対して深い憤りと悲しみを感じた」などの感想が寄せられています。

子どもたちに豊かな教育と平和な未来を求めるすべてのみなさんとともに

 全教は、今後も、すべての子どもたちに豊かな教育と平和な未来を求めるすべての団体や個人の方とともに、子ども、父母・保護者、市民、教職員の共同で、教育のつどいのとりくみをさらに広げていく決意です。

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