『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年10月号 9月20日発行〉

【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

  • 全教共済
ニュース

スポーツ庁「運動部活動に関する意見照会」へ全教の意見を表明

 全教は、11月10日、スポーツ庁による運動部活動に関する意見照会について意見表明を行いました。スポーツ庁は、運動部活動の適正化に向けて、今年度、「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(以下「ガイドライン」)を作成するにあたり、スポーツ庁「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」を設置し検討をすすめています。学校の教育活動の一環として行われる運動部活動の適切な運営の在り方に関し、スポーツ庁が全教の意見を求めたことに対し、意見表明をおこなったものです。



 意見表明には、スポーツ庁より塩川達大政策課学校体育室室長、伊藤健政策課学校体育室次世代育成係長が、文部科学省より奈雲太郎初等中等教育局調査係長が出席しました。全教から宮下教文局長、米田副委員長、檀原書記次長、糀谷中央執行委員、波岡中央執行委員が出席しました。

 全教より別紙意見を説明した後、意見交換を行いました。塩川室長は、「子どもにとっての運動部活動の在り方について、先進的な競技団体ではやりすぎるとよくないという声が出されている。一方で根性論を求める意見もある。指導において科学的知見も取り入れていく必要があることなどから、この問題をスポーツ庁が取り上げる意味がある」としました。また、今後の「ガイドライン」作成のテンポなどについて、「平成25年の『運動部活動での指導のガイドライン』は体罰等の問題について緊急に出されたもの。今回は、一般論として中間まとめ的なものを出した後、年度末にガイドラインを出したい」としました。

 全教から、部活動指導員の配置に関して、部活動が子どもの自主的自発的な活動であることや発達段階を踏まえておこなわれるものであることから逸脱した指導が行われる危惧を指摘しました。室長は「子どもの発達段階を踏まえて指導する必要がある。外部指導者の弊害もある。学校教育に携わる研修が必要だと思う。具体的なことは今後の検討となる」としました。

 また、全教から、トップアスリートの養成と区別し検討する必要があることを指摘し、室長は、「学校の部活動は子どもの自主性・自発性に基づき、発達段階を考慮しておこなわれるもの。問題意識はある」と述べました。

 今回の「ガイドライン」作成についてスポーツ庁は、「部活動における教職員の働き方の課題については、『学校における働き方改革審議会』で論議され、スポーツ庁「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」では、子どもにとっての運動部活動の在り方について論議する」としています。部活動問題は教職員の働き方にとって重要な課題であり、切り離して考えることはできません。引き続き、子どもにとっての部活動の在り方の議論をすすめるとともに、教職員の長時間過密勤務解消に向けてのとりくみをすすめる必要があります。

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