全教は、10月16日~17日、第64回中央委員会をオンラインで開催しました。10月31日投開票の衆議院選挙を目前に、長期化するコロナ禍のもとで子どもと教育を守る課題、GIGAスクール構想のもと、押し寄せる教育のICT化がもたらす課題、秋季年末闘争における要求の前進を勝ちとる課題、組織拡大の「新たな3か年計画」最終年度の後半に、組織拡大の大きなうねりをつくりだす課題について、討論が展開されました。討論を通じて、この夏からのとりくみの経過や情勢について認識を共有し、定期大会までのとりくみの方針を決定しました。
宮下直樹中央執行委員長は冒頭のあいさつで、コロナ禍のもと、2020年度の不登校や子どもの自殺者数の増加に触れ、子どもを守るとりくみ、教育を語り合うとりくみが重要になっていることを指摘しました。そして、岸田新首相が安倍・菅政治を踏襲しようとしていることを厳しく批判し、2週間後に迫った衆議院選挙に向けて市民と野党の共同が前進し、教職員の要求実現の大きなチャンスであると呼びかけました。また、この間の、義務標準法の改正、東京五輪・パラリンピックの学校連携観戦中止、特別支援学校の設置基準の策定、そして教員免許更新制廃止という大きな変化の背景と要因を指摘しました、まず、一人ひとりの子どもの成長・発達を保障してほしいという市民・保護者・教職員の願いと運動が、多様性・個人の尊厳・人権の尊重を求める現在の社会的な潮流とかみあい展開されたこと、次に管理と統制・競争を押しつける安倍「教育再生」政策の矛盾と破綻が現れていること、そしてねばり強く運動を積み重ね、行動を提起する教職員組合の役割が変化を生み出す原動力であることを指摘しました。その上で、この秋のとりくみを組織の拡大強化に結びつける条件が広がっていると強調しました。
討論では、GIGAスクール構想のもと進められる教育のICT化がもたらす課題にどう向き合うか、教員免許更新制廃止を求めるとりくみの強化とともに、教員免許更新制廃止とともに打ち出されている研修の管理統制強化の動きに対する自主的・自発的な研修の重要性が語られました。教職員の生活と権利にかかわっては、各地で確定交渉のとりくみを通じて、労働基本権回復の必要性が改めて重要な課題となっていることが語られました。また、給特法の矛盾がいよいよ明らかになる情勢の下で、全教の給特法改正要求を実現するとりくみの必要性や、定年年齢引き上げに伴い解決すべき課題が指摘されました。「新たな3か年計画」最終年度のとりくみなど組織拡大のとりくみについては、新採者との対話が積極的にすすめられているとりくみが交流されました。会計議案を含め議案はすべて承認され、この秋から定期大会までのとりくみを全国連帯で進めることが確認されました。