『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年11月号 10月20日発行〉

【特集】ともに歩もう! ジェンダー平等と教育の世界へ

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教育のつどい2017 のべ5000人の参加で大きく成功!

 「教育のつどい2017」は、818日からの3日間、岡山県岡山市で開催され、のべ約5000人の保護者・市民・教職員の皆さんの参加を得て、大きく成功しました。



 「教育のつどい2017」は、安倍政権が、憲法改悪とその2020年の施行をめざして第9条に自衛隊を明記することを表明し、平和主義と戦争放棄を否定しようとする中で開催されました。改訂学習指導要領が、国・財界の意向にそった人材を育成することをめざし、「戦争する国」づくりをいっそうすすめるものであることが明らかになりました。それに抗して、子どもたちの実態から出発し、保護者・市民・教職員がともに参加と共同の学校づくりをすすめることの大切さがあらためて確認されました。

 岡山の若い仲間の司会進行のもと、開会全体集会では1300人が集いました。

 石川康宏さんの講演は、「社会をかえる取り組み」など4つの「問題意識」(「社会をかえる取り組みを」「『人を育てる』努力を」「よりよい生き方を話題に」「一人と社会の課題は」)の提起から、大学生が学び成長する姿が大きな感動を呼びました。「慰安婦」問題を、本や映像に学び・証言に学び・wamに学び・「歴史館」に学び・接し、励まし・連帯し・本をつくり・学内学外で伝え・語る学生たちの姿に圧倒されました。また、18才までに「大人への飛躍」を獲得するためにどのような学びが必要かなど、私たちの追求すべき課題が示されました。

 現地岡山の企画では、「朝日訴訟」のたたかいやハンセン病をめぐる差別とのたたかいなど人間尊重の精神を大切にしてきた歴史と経験が紹介されました。また、テストの点数にふりまわされる「学力向上策」や教室が足らない特別支援学校の実態など、安倍「教育再生」を具体化する今の岡山の教育の課題が明らかにされるとともに、「学校ウオッチング」などの子どもたち一人ひとりを大切にする教育をすすめる地域のとりくみが報告されました。

 エンディングでは、岡山在住のシンガーソングライター原田義雄さんの歌声が会場をあたたかく包み込みました。

 7つの教育フォーラムと30の分科会では、各地の子どもと保護者、教職員の「今」が報告されました。学習指導要領の押しつけと「学力テスト体制」、トップダウンの学校統廃合や小中一貫校設置などにより、子どもたちはいっそう激しく競争させられています。「道徳の教科化」や各地の「〇〇スタンダード」などによって「こうあるべき」が押しつけられ、貧困と格差の広がりと教育条件整備の不十分さが重なり、子どもたちのすこやかに成長する権利が奪われています。

 同時に、子どもの願いにこたえる教育をすすめるため、子どもによりそい、仲間と語り合い、声をあげ、粘り強くとりくみを続けている教職員や保護者、地域のさまざまな実践と運動が豊かに報告されました。戦後の教育研究運動によって蓄積された実践が、若い世代に引き継がれ、「これから」の教育をつくる力となっていることが、参加者の確信となりました。



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