『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年11月号 10月20日発行〉

【特集】ともに歩もう! ジェンダー平等と教育の世界へ

  • 全教共済
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「実効ある長時間過密労働解消策を実施せよ」と文科省に申し入れ

 全教は、2月16日、文科省に対して「学校現場における業務の適正化」に関わって申し入れをおこないました。これは、1月6日に松野文部科学大臣が、「学校現場における業務の適正化に関するメッセージ」を発表したことを受けて、実効ある長時間過密労働解消策を求めておこなったものです。申し入れは、米田雅幸中央執行副委員長、中村尚史中央執行副委員長、小畑雅子書記長、山元幸一中央執行委員の4名でおこないました。

 今回の申し入れは、松野文科大臣が1月6日に発表した「学校現場における業務の適正化に関するメッセージ」について、教職員の長時間労働の実態を把握し、適正化に向けた方策をとる必要があると認識したことは意義のあることだとした上で、実効ある改善策を求めたものです。全教としての基本要求である、少人数学級の実現など教職員定数の抜本的改善や教職員の持ち時数の上限規制、給特法の改正などを求めた上で、文科省の示す業務改善策の内容、とりわけ部活動ガイドラインへの教職員の意見反映、平日、休日の部活動休養日の設定などについて要請をしました。
 文科省からは、部活動の適正化については、総合的な実態調査を2017年度に実施すること、スポーツ医科学等の観点から練習時間や休養日等の時間が適切かについて調査・研究をすること、それらをふまえ、ガイドラインを策定すること、部活動指導員を省令上明確化する方向でとりくんでいるとの回答がありました。
 ガイドラインの内容については、「教職員の負担軽減、長時間労働の解消とともに、生徒の多様な体験の保障、健全な成長の促進の観点からも必要と考えている。ただ単に、『部活動の休養日を設けましょう』だけではなく、スポーツ医科学等のエビデンスをもとに、こういう部活動をすれば適正・効率だということをしっかり打ちだして、学校現場で、これなら守っていきたいと説得力のあるものをと考えている」との考えが示されました。
 また、長時間過密労働解消に関わっては、「(教職員が)国際的に見ても非常に長時間勤務していただいていると現状認識している。現状を改善し、先生方が子どもたちと向き合うという本来の職務に専念できる環境をつくることは喫緊の課題である。とりくみを進めていくなかで、現場の先生方の声、実態の声を聞き入れながら相談したい。ご意見を頂戴しながら進めていきたい」と回答しました。
 文科省の回答を受け、全教からは、過熱する部活動のもとでの現場の実態を訴え、スポーツ医科学の観点からの発信、実効あるガイドライン策定のために中体連や高体連などを含めて関係団体との協議や懇談、学校現場の意見を聞く場を設けることなどを要請しました。「業務の適正化」を進めるにあたって、教職員組合との誠意ある懇談の場を設定し、建設的な協議を行うことを重ねて求め、申し入れを終えました。

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