財務省が来年度予算編成をめぐって、人材確保法にもとづく教員給与の優位性の見直しを行う動きを示している問題で、全教は11月28日に財務省に、11月29日には文科省に対して、要求書の提出と要請をおこないました。
財務省への要請には、今谷書記長と米田書記次長、小畑中央執行委員が参加し、財務省側からは、主計局文部科学第二係の岡野徳久係長が応対しました。
全教からは要求書(別紙)の趣旨と要求項目の説明をおこなうとともに、義務教育等教員特別手当の削減強行や今年の国家公務員に準じた地方への賃下げ押しつけのように、国の予算の一方的な削減によって教職員賃金の引き下げが行われることの不当性、勤務実態調査で明らかになった長時間過密労働の実態、公務員賃金の抑制攻撃がつづくもとでの生活破壊などを具体的に示し、教員賃金引き下げに反対であることを表明しました。
これに対して、財務省の岡野係長は「以前の自公政権下で人確法の廃止を含めて賃金縮減を決めたいきさつがある。同時に文科省からは、教職員の現在の仕事が多岐にわたり、大変だということも聞いている。今のところ、やるとも、やらないとも言えない。文科省とは、まだまだ平行線だ」と回答しました。全教からは、あらためて人確法による教員給与の優位性確保の経過の尊重、教職員賃金の改善を求めました。
文科省への要請は、今谷書記長と米田書記次長が行い、文科省側からは初中局財務課の坂本課長補佐が応対しました。全教の要求書にもとづく要請に対して、坂本課長補佐は、「小泉政権時の行革推進法にある『人確法の見直しも含めて検討』という文言だけを取り出して財務省から教員給与縮減のアイデアを出せ、と言われている。学校を取り巻く状況も変化してきており、教員人材の確保という点からもよろしくないのではないか。教員給与のみ縮減するというのも納得がいかない。双方、どちらも譲らないという状況だ。現場に痛みを強いることはできない」と現況と文科省の姿勢を説明しました。全教からは、教育現場で日々頑張っている教職員とともに、地方教育行政をも励ます立場で文科省が対応することを強く求め、要請を終えました。