『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年12月号 11月20日発行〉

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「いじめ防止対策推進法案」に反対する議面集会

 全教は、6月18日夕方、「いじめ防止対策推進法案」(以下「法案」)に反対する緊急議面集会を開きました。「いじめ防止」に関わる法案を国会に提出していた与党(自民・公明)と民主・生活・社民三党は、法案のすりあわせのための実務者協議を行っていましたが、与党案をベースに修正を加えた「法案」(以下「法案」)を18日にも国会に提出し、今国会での成立をめざすとの緊迫した情勢を受けて緊急に開催したものです。



 「法案」は、「児童等は、いじめを行ってはならない」として「いじめの禁止」を法律で定めようとしています。また、「全ての教育活動を通じた道徳教育及び体験活動等の充実を図らなければならない」として、内心の問題である情操や道徳心に法律が踏み込んでいます。さらに「保護者の責務」として「規範意識を養うための指導…を行うよう努めるものとする」として、家庭教育に踏み込んでいる点や「いじめを行った児童への懲戒」や「出席停止」など徹底的な管理、厳罰化で取り締まろうとしている点も問題です。

 集会では、主催者を代表して今谷書記長があいさつをしました。また、日本共産党の宮本岳志衆議院議員から「明日の衆議院文教委員会、あさっての衆議院本会議で一気に通過させようとしている。自公案をベースにした今回の法案は、原則的なところで大きな問題がある。法律にいじめ禁止を書き込むことでは、いじめの解決にならない。教育とは相容れないもの。堂々と国民の前で問題点を明らかにする論戦を行う」との国会情勢報告がありました。

 集会終了後、参加者は、衆議院文部科学委員と参議院文教科学委員に対して「いじめ防止対策推進法案の廃案を求める要請」を行いました。参加者は、要請書を手渡すとともに、子ども全国センター発行のパンフレット「子どもたちが幸せに生きる社会を」を資料にしながら、全教がすすめているいじめ克服のとりくみも紹介をし、「法律による『いじめの禁止』や厳罰化では、いじめの克服にはつながらない」と議員や秘書と対話をしました。「法案」を提案している自民党やみんなの党の議員秘書からも「自分は教育大出身なので、皆さんの言うことはよくわかる」「『法案』では、根本的な解決にはならないと思う」などの意見が出されました。また、みどりの風の谷岡郁子参議院議員は要請に対して「教職員や事務職員を増やして、事務処理などにかかる負担を減らして、子どもと一緒にいる時間を長くすることが必要だと思っている。附帯決議にそうしたことが入るように頑張る」と述べました。

 全教は、国会の傍聴を含めて「法案」成立を許さないとりくみを行うとともに、「法案」の動向に関わらず、いじめや暴力を克服し、すべての子どものいのちと人権が何よりも大切にされる学校づくりをさらにすすめていきます。

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