全教は、12月23日、教員免許更新制の「発展的解消」に関する緊急要請を行いました。
中央教育審議会「『令和の日本型学校教育』を担う教師の在り方時別部会」の「審議まとめ」において、教員免許更新制が「新たな教師の学びの姿」に「発展的解消」されることになりました。そのタイミングについて文科省は、Q&A「皆さんからの10の質問にお答えします」の中で、今年の通常国会で法改正が行われれば「時間を置かず速やかに施行する方向」だとしています。
そのため、特に2022年度末に免許状の有効期限を迎える教員にとっては「更新講習の申し込みが必要なのだろうか」と心配になるところです。全教は、下記の3点を要請しました。
1.2022年度の免許更新講習の受講および更新手続きが不要となることについて、2021年度中 に地方教育委員会、更新講習開設大学、各学校と教職員に周知徹底すること
2.2021年度末までに失効し、返納された教員免許状については、法改正後、本人の希望により返還できるようにすること
3.期限が記された新免許状について、記載された期限は無効である旨、周知徹底すること
文科省は、現在、通常国会に教員免許法改正案の提出をめざして検討・調整中であり、現段階で発信できることについてはQ&AやHPなどでも公開しているが、受講や更新の手続きが不要となる時期については、法改正後「可能になった段階で情報を発信」するとしました。免許状の期限の扱いについても検討・調整中だが、「免許状の有効期限や、失効・休眠中の免許状の効力についても取り扱うことになっている」と回答しました。
通常国会(1月17日開会予定)における法改正の時期について「一般論として、最初は予算にかかわる審議なので、今年度末に審議が始まることは考えにくい」とし、「今年度末が期限の方は、これまで通り更新講習の受講や講習不要或いは延期の申請などの手続きが必要」だとしました。全教は、来年度末が期限の場合、奈良県教委の教育研究所が全講座を無料で受講できるようにしている例もあげ、教職員の負担を増大しないよう、教育委員会や大学など講習開設者にはたらきかけることを重ねて要求しました。文科省は「情報共有していきたい」と回答しました。
また、教免法と合わせて、教員免許更新制に代わる「新たな教師の学び」に関わる教育公務員特例法改正案の提出が同時に予定されています。全教は、この問題についても多くの疑念を持っていることから改めて要請する旨伝えて、要請を終えました。
教員免許更新制の廃止にかかわる緊急要請書を提出(2021年12月23日)