全教と教組共闘、子ども全国センター、教育基本法全国ネットワークは、教育改悪3法案の衆議院での採決をめぐる緊迫した事態にあたり、5・16中央行動を展開。教育改悪3法案の廃案を求め、全国からの200人を超える参加者は国会請願デモをはじめ、国会前座り込み行動、国会議員要請にとりくみました。
また、衆議院の教育再生特別委員会では午前中、中央公聴会が開かれ、全教の米浦正中央執行委員長が公述人として、教育改悪3法案は憲法と教育の条理に反するものであり、廃案にすべきとの公述を行いました。
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同日、日比谷野外音楽堂では14日の改憲手続き法案の強行と可決に抗議するとともに、憲法闘争の一大強化をめざして、5・16集会が開催されました。改憲手続き法を発動させず、憲法を守る側に国民の過半数を結集するために、運動をさらに発展させていくことを確認。3200人の参加者は国会請願デモを行い、国会に向けて採決強行抗議の声を届けました。
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全教と教組共闘、子ども全国センター、教育基本法全国ネットワークは、11時から社会文化会館で意思統一集会を開催。200人を超える参加者が教育改悪3法案廃案へのたたかいの決意を固め合いました。
国会情勢報告で井上哲士参議院議員は、強行された改憲手続き法について、「この法の問題点やその先にある憲法改悪に対する国民の怒りと批判の声が広がっている。私たちのたたかいが新しく世論を動かしていることも、お互いに確認すべきことだ」と述べ、法案は強行されたが、たたかいはまさにこれからであり、「これを発動させていかない。そして、憲法を守る側に国民の過半数を結集させていく。その草の根のたたかいを直ちにご一緒にすすめていきたい」と決意を込めました。
また、衆議院の教育改悪3法案をめぐっての審議情況について、「今日、中央公聴会が行われ、3時間の一般質疑をやるところまでは決まっています。しかし、18日(金)は総務委員会が開かれ、総務大臣が参加できないために特別委員会は開かれません。ですから、週は越したくないということから『明日採決を』という思惑がある」とたいへん緊迫した状況であることを指摘しました。
また内容についてもあらためて述べ、「この間の教育3法の審議を通じて、まさにこの法案が国による教育の統制をいっそう強化し、そして多くの国民が願っている子どもたちへのゆきとどいた教育やさまざまな問題の解決とまったく反するものであるということが、浮き彫りになっている」と述べ、「教育3法に道理がないこの悪法の廃案に向けて、みなさんと力合わせて全力をあげていきたい」と力を込めました。
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<<参加者の決意表明>>
○「教育基本法闘争で築いたたたかいの到達にたって、積極的に教育について話し合うことが大切だ。組合員にきちんと話をして署名をもらうこと、街頭宣伝を強めること、FAXで国会議員に国民の声を届けることを提起してとりくんでいる。法案が『国民の要求に基づいている』などとんでもない。国民の声がどこにあるのかは私たちの運動で明らかにしなければならない。私たちのたたかいによって情勢は変わる。廃案めざしがんばりたい」(愛知高教組)
○「県独自に職場で寄せ書きを集め文科大臣宛に送るとりくみをすすめている。主任手当や勤評闘争などのとりくみにも学び、学習をしっかりしてたたかいたい」(教組共闘:福井高教組)
○「教育基本法を守る共同のたたかいは、教育改悪3法案や学力テストのたたかいにつながっている。教育改悪3法案についての宣伝でも耳を傾ける人が増えてきた。また、国会傍聴を通じて子どもたちや現場のことを知らない国会議員へ憤りを感じ、FAXで要請を行っている。廃案めざしがんばりたい」(三多摩高校連絡会)
○「安倍首相は国民の声を無視し、やりたい放題をやっている。山口県でも教員の評価、学校評価ということをやってきている。数値目標のために力をそそぐなど本末転倒だ。問題はいろいろ起こっているが、それ故に職場が一つになり、交渉や討議が活発に行われるようになった。『必ず正義は勝つ!』と生徒にも言い続けている。勝利を勝ち取りたい」(山口県高教組)
○「教育基本法闘争では、はいつくばるような思いで世論を変えてきた。世論をつくっているのは私たち一人ひとりだ、このことに確信を持つべきだ。教育改悪3法案について、与党は国民に知られる前に採決しようとしている。国が直接教室に入り、国民を支配するシステムづくりをねらい、子どもの人格をますます破壊する内容になっている。こんなことは絶対に許すことはできない。とりくみ次第で参議院で廃案にすることができる。50万枚のビラで全都一斉宣伝、独自の国会議員要請などを行うなど、廃案にするために全力で奮闘する」(都教組)
○「中学3年生の母親です。新婦人は昨日会議を開いて改憲手続き法の強行採決は絶対に許されないと、草の根から世論をつくりながら、参議院選挙で国民的審判を下すことを確認し合った。全国的にも学力テストの問題で運動を展開してきた。大阪でも、大教組との連携の中で無記名方式にすることができた。学テの問題では、子を持つ世代が学びながら、周りのお母さんたちと話し合っていくことが大切だったし、行動にもつながっていった。『ベネッセ良いやん』という人も、学び合いの中で変えていくことができた。教育改悪3法案も、教育基本法闘争の時のように、署名を持ってこの内容を知らせていく力を持たなければならない」(新日本婦人の会・大阪)
○「教育基本法闘争や学テのとりくみ、この間の憲法に関する世論調査に見られるように、私たちの運動が世論を動かすことができる、このことに確信を持つことが重要だ。憲法改悪の中心的ねらいが9条改悪にあるということが国民に知られていない。本質とねらいを明らかにする必要がある。教育基本法改悪は、そのねらいが戦争するための人づくりであることを訴える中で、国民にも分かりやすくなった。その具体化である教育改悪3法案についても、本質とねらいはまったく同じであり、バラバラではなく一体のものとしてとらえ訴えていくことが必要だ。教育改悪3法案は憲法と教育の条理に反し、子どもや父母の願いとは相容れないものだ。廃案をめざし全力でとりくむ」(大教組)