『クレスコ』

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〈2024年12月号 11月20日発行〉

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教職員の選挙運動抑圧をやめよ 全教 文部科学省「通達」撤回を申し入れ

 全教は7月10日、伊吹文明文部科学大臣に対して、「教職員の選挙運動に関する通知についての申し入れ」を行いました。申し入れの内容は以下。


                                  2007年 7月10日


文部科学大臣 伊吹 文明 様
                                 全日本教職員組合
                                 中央執行委員長 米浦 正

教職員の選挙運動に関する通知についての申し入れ

 文部科学省は6月1日、初等中等教育局長名の「教職員の選挙運動の禁止等について」と題した通知を発し、「服務規律の確保についても格段の配慮」を要請し、「非違を犯した者があった時は、厳正な措置をとられるよう」求めています。
 いうまでもなく、国民には、主権者としての重要な権利として政治活動の自由、選挙活動に関する保障がなされており、教育公務員といえどもその例外ではありません。たしかに、日本の公職選挙法は、他の先進諸国に比べ選挙活動に関する市民的権利を異常なほど抑制しており、とりわけ教育公務員の選挙運動については、法令上さらに一定の制約を設けています。しかし、特別に教職員に対し刑罰によって禁止しているのは、「児童・生徒及び学生に対する教育上の地位を利用」した運動だけです。
 公務員の選挙活動に対する国民の批判は、業界に対して利益誘導を図るなど公務員の地位を悪用したものや役所ぐるみで行っている選挙活動、あるいは、労働組合の特定政党支持おしつけによる選挙活動などに対するものであり、一般の公務員が憲法等に保障された市民的権利を行使して行っている選挙活動に対するものではありません。
 ところが、これまでの文部科学省通知等によれば、法令上の制限を拡張解釈して誇大に宣伝し、あたかも教育公務員は選挙活動の一切が保障されていないかのように描き出されています。これは、法令にも抵触していない正当な選挙活動を抑圧し、憲法に保障された基本的人権をないがしろにするものです。
 私たちは、憲法が保障する選挙活動の権利を擁護する立場から、以下のことについて緊急に申し入れるものです。
 

                       記

1.法令上の禁止事項を拡張解釈し、教職員の権利を抑圧する上記「通知」を撤回すること。

 
2.文部科学省として、憲法で保障された教職員の正当な選挙活動の自由を保障する立場に立った行政を行うこと。 
 
                                           以上

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