「公務員賃金改善」「休暇制度改善・労働時間短縮など労働条件の改善」「最低賃金の目安額引き上げ」「地域最低賃金の引き上げ」などの諸要求をかかげ、07夏季闘争7・25第2次中央行動を展開しました。主催は、公務労組連絡会、全労連・国民春闘共闘。
この行動には、全国からおよそ2000人余が参加し、日比谷野外大音楽堂で開催した公務員賃金・最低賃金改善7・25総決起集会を皮切りに、人事院・厚生労働省、財務省、総務省、行革推進本部事務局前での要求行動で、各省庁に向けて現場の声をぶつけました。参加者は、行動の最後に銀座パレードを行い、道行く人々に「公務員賃金改善」「最低賃金の引き上げ」などを訴えました。
政治の力関係を変えるために奮闘しよう
公務員賃金・最低賃金改善7・25総決起集会で、主催あいさつした国民春闘共闘代表の坂内三夫全労連議長は、「消えた年金問題、消費税増税問題、貧困や格差の問題、憲法問題など重大な争点をかかえた参議院選挙の真最中にあり、投票日を直前にしている今日は、地域最低賃金の大幅引き上げ、均等待遇の実現、公務員賃金の改善を要求する全国統一行動日だ。官民賃金の比較対象企業の規模は『100人以上』から、『50人以上』に引き下げられ、また『骨太方針』で公務員賃金のさらなる削減が盛り込まれていることもあり、果たしてベア勧告が行われるかどうか、極めて緊迫した状況にある。いずれにしても29日の投票の参議院選挙の結果が人事院勧告や最低賃金にも、大きな影響をおよぼす。政治の力関係を変えるために奮闘しよう」と強調しました。
ギリギリまでの署名や地方での要請行動で
情勢報告で若井公務労組連絡会事務局長は、人事院勧告をめぐる情勢について、「政府総務省は、『勧告が出れば尊重する』としている。そこには使用者としての職員の暮らしや労働の実態、悩みや不安について、何一つ真剣に考えていない。使用者としての当事者能力がない」と冒頭政府を批判。
人事院は、勧告日について「現段階で予定が立っていない」と述べていること。また「勧告作業は、例年どおりすすんでいる」が、「官民格差は集計中でありプラス・マイナスは最終までわからない」としていることや「期末勤勉手当は、ギリギリまで調査をするので結果は勧告直前になる。所定内の労働時間の短縮については、集計中であり、各省庁とも話し合いの最中。今後は民調結果も踏まえて検討する」「非常勤職員の処遇改善問題は、各省庁の担当者と個別に意見交換している。それを踏まえて給与と手当について、課題を整理していく」といった人事院の回答について述べた上で、「人事院は態度をまだ決めたわけではない。ギリギリまでの署名や地方での要請行動など、これからのたたかいをいっそう大きくする必要がある」と強調しました。
また、最低賃金引き上げのたたかいについて、「私たちの運動によって一定の前進をしつつある」と指摘し、13日に開かれた最賃審議会で厚労省側は、時給13円から34円の幅で引き上げる4つの案を示し、20日には目安委員会を開催されたことを紹介。「時給1000円以上という私たちの要求から見れば不十分だが、従来の一桁程度の金額から見ればドラスティックなものということができる」と述べました。
また、公務においても不安定雇用労働者が数多く働いている問題について述べ、「政府調査でも非正規労働者の割合は、国公・地公とも15%を占め、さらに自治体においては半分近くが非正規という職場すらある。非正規労働者抜きには公務の職場は成り立たない」と強調。「ある自治体で雇われている4人の派遣職員の年間契約金額が1300万円だという。労働者の取り分は6割と言われている。つまりこの職員の1人当たりの賃金は年間200万円余」といった事例を紹介し、「公務の職場にワーキングプアが存在するという深刻な実態がある」と述べるとともに、「非正規労働者の均等待遇の課題を放置して、公務員労働者の賃金が改善されるはずはない。人事院勧告に向けて正規の賃金改善とともに、非正規の均等待遇、賃金・労働条件の改善に全力をつくす」と力を込めました。
そして、参議院選挙についてふれ、「公務員労働者として、どの政党が前進することが国民や労働者の暮らしがよくなるのか、冷静な目で判断する必要がある。参議院選挙の結果は今後の国民のくらしだけでなく、公務員労働者にも大きな影響を与える」と述べ、参議院選挙とともに夏季闘争への奮闘を呼びかけました。
子どもたちの目の前にいるのは私たち教職員
各団体からの決意表明のパフォーマンスでは、「悪徳校長」「嫌味な教頭」、定年を2年前に控えた「ゴマすり教員」「まじめな全教組合員」との配役に東森書記長をはじめとする全教中央執行委員が熱演。「教員免許更新制」が持ちこまれ、教職員を分断し、管理を強めようとする管理職と教員とのやりとりをコミカルに描きながら、最後に「教育改悪3法案が成立しても、子どもたちの目の前にいるのは私たち教職員。『どの子も大切にしたい』『勉強がわかるように丁寧に教えたい』――この気持ちは保護者・教職員・国民みんなの共通の願いです。私たち全教は、すべての人たちとの協力・共同で、教職員を分断し、競争と管理の学校をつくらせないために、そして憲法を守って平和な未来を子どもたちに手渡すために引き続き奮闘します」と決意を示し、閉めくくりました。
納得できる改善勧告をするよう強く求めていこう
閉会あいさつで公務労組連絡会議長の米浦全教委員長は、「私たちはこの間、生活と労働の実態を踏まえた賃金改善と一時金の引き上げ、初任給の官民格差是正、勤務時間の短縮、非常勤職員の待遇改善、最低賃金の大幅引き上げなどを要求してとりくんできた」と強調。しかし、人事院は公務員の労働基本権剥奪の代償措置として設置された機関であるにもかかわらず、「この2年続けて自らの存在意義を否定する暴挙に出た。そのことを私たちは決して許していない」と語気を強めました。その上で人事院勧告は、730万人公務関連労働者はもちろん民間労働者の賃金や最低賃金、地域経済にも大きな影響を及ぼすことをあらためて強調しながら、「人事院がそれらを踏まえて、納得できる改善勧告をするよう強く求めていこう」と参加者に呼びかけ、団結ガンバローで締めくくりました。