「官製ワーキングプア」なくし、改憲策動を阻止し、国民生活ささえる先頭にたとう
14時すぎから社会文化会館ホールで開催された公務労働者08春闘総決起集会では、大黒作治公務労組連絡会議長が主催者あいさつし、「なくせ貧困、ストップ改憲を共通スローガンのもと『官製ワーキングプア』の改善や改憲策動を阻止し、国民生活ささえる先頭にたとう」と述べました。
情勢報告で黒田事務局長は、賃金・労働条件の改善、民主的公務員制度の実現、公務・公共サービスの拡充をめぐって報告し、「政府・人事院との交渉では、切実な要求に対して消極的な態度だ。午前中の『官製ワーキングプア』告発集会では、公務職場の過酷なまでの生の声がたくさん出された。誠意ある最終回答を求めて、3月13日の統一行動など春闘を全力でたたかおう。公務・公共サービス拡充のための『100万人署名』を強化しよう」と訴えました。
決意表明では、「構造改革路線の強行で押し寄せる塗炭の苦しみの中、労働組合としての責任を感じる。政府の公務員制度『改革』は、権利侵害もはなはだしい。100万人署名を軸に、国民的な議論をおこそう」(国公労連・岡部書記長)、「医師・看護師不足が深刻になっている。大阪での地域医療を守ろうと医師・看護師ふやせの署名を一人で450筆集め、行動すれば展望は開けると実感した」(大阪自治労連医療部会・山本桃代さん)と発言。
「戦争支援より子ども支援」「教育予算を増やして」 新堰全教副委員長が決意表明
全教からは新堰副委員長が発言。全教が配布している春闘ビラは、「戦争支援より子ども支援」「教育予算を増やして、教育条件の改善や教育費父母負担を軽減せよ」と訴えていることについて述べた上で2つのことを紹介しました。ひとつは、北海道のとある高校ではボイラーの設定温度が18度に下げられており、15時半には暖房も切られてしまう、そのため補習や部活に影響が出ていること。2つ目に、石油の給油が月曜日と金曜日しかなく、ひざ掛けを用意したり、人によっては毛布を用意しているとの群馬県の高校生が、新聞へ投書した中に「思いやり予算からほんの少しでもいいのです。私たちに石油代をまわしてください」と記していることなどを示し、「教職員の訴えと子どもたちの思いは共鳴している」と強調しました。
また、教職員の長時間過密労働についてふれ、全教共済が募集した川柳〝先生はメタボの上にメチャ多忙〟を紹介。文科省の勤務実態調査でも、平日だけで教員は月34時間の超勤をしていることが明らかになっていることを示し、「しかし、文科省は緊急の課題である長時間過密労働の是正を棚に上げし、すでに『骨太の方針』で決まっている教員賃金の『〝優遇〟を是正する』としている。その第1弾として、来年から平均で年5万円の手当削減をしようとしている」と文科省の姿勢を批判。義務特手当削減中止を勝ちとる決意を述べました。
さらに、新堰全教副委員長は、今年に入り3連勝している裁判闘争(①2/7 東京都教委が卒業式で不起立者の嘱託不採用したことを「裁量権の逸脱・濫用」とした判決、②2/25 都教委が性教育を口実にした教育介入を行い、七生養護学校長を教員に降任などの処分を「裁量権の濫用」とした判決、③2/28 京都市教委が条件付採用期限直前に学級崩壊を起こしたとして分限免職した元教諭への処分を「裁量権を誤って違法な処分」として取り消した判決)を紹介。「教基法が改悪され、管理と競争の教育行政の暴走に、司法からあまりにもひどいとブレーキがかけられた」との見方を示し、「埼玉県・川口市と京都市で行っている超勤是正など求める裁判の判決が迫っており、勝利するためたたかう」との決意を表明しました。
最後に、「指導力不足」教員政策の問題、新しい教職員評価制度の導入に関わって文科省や教育委員会が、「教員の地位」勧告を守っていないことから、ILOユネスコ調査団が来日することになったことを紹介し、「労働基本権回復の問題は喫緊の課題であり、全教としても調査団のとりくみを成功させ、運動に弾みをつけたい」と決意を語りました。
最後に閉会あいさつで福田副議長は、「格差と貧困がなくなるよう、労働者の要求を最後までにぎってはなさずたたかおう」と締めくくり、会場を埋め尽くした参加者は、団結がんばろうを三唱して決意を固めました。
集会後、社会文化会館から赤坂を通って国会前まで請願デモに出発しました。
※この稿は、「公務労組連絡会FAXニュ-ス」(NO,728)より抜粋し、加筆しています。