1月21日、秋の5大重点要求についての文部科学省政務三役への要請に先立って、民主党幹事長室への要請を行いました。これは、民主党政権が「分権型陳情への改革」として、政務三役に対する要請の前段階として民主党幹事長室で対応することを決定したことによるものです。
写真:広野副幹事長に要請する山口隆委員長
要請への対応は、文部科学省担当の広野ただし民主党副幹事長(参議院議員)でした。全教からは、山口隆中央執行委員長、加門憲文中央執行副委員長(日高教中央執行委員長)、本田久美子中央執行副委員長、北村佳久書記長、吉田正美書記次長、今谷賢二中央執行委員、中村尚史中央執行委員の7名が出席し、和やかに懇談、要請しました。
要請を受けた広野副幹事長は最後に、「民主党政権は人を育てる、人を大切にするという部分を大切に考えている。また、いろいろなお話を聞かせていただきたい」とのべました。
写真:高校生の就学調査について説明する加門憲文日高教委員長
民主党副幹事長要請の発言の詳細
山口委員長は、秋の5大重点要求にもとづく要請書を手交し、以下のように要請しました。
最初に、教育費負担2010年度政府予算案において公立高校の授業料の無償化は、学制発布以来の改革であり、歴史的なことであること、一方で入学金や教科書など授業料以外の負担が大きいこと、私立については無償化にはいたっていないなどの課題が残されており、今通常国会で国際人権A規約第13条b項、c項の留保撤回を実現し教育費の無償化の実現をめざすこと、小中学校の就学援助の拡充などを求めました。
第二に、少人数学級について、OECD諸国並みに学級定員を引き下げること、そのための教職員定数増について触れ、来年度予算では、7年ぶりに300人の純増としていることを歓迎するとし、さらに新たな改善計画の策定を求めました。
第三に、学力テストについては、悉皆調査から抽出調査に転換したことは評価しつつ、抽出率が平均で30%、高いところでは70%を越えている、抽出なら5%でも十分だとして、再考を求めました。
続いて、加門副委員長は、日高教がおこなった修学調査の結果を示し、公立高校全日制で平均32~33万円の教育費負担となっており、授業料以外の私費負担が大きく、高校でも修学援助制度の創設、完全無償化に向けたとりくみの必要性を訴えました。
また、今谷中執は、1200人余から回答のあった教員免許更新制アンケートの結果で、この制度で教育がよくなるとするのが0.3%、良くならないが 67%、廃止を求めるものが67%、一方で役に立ったとするものが60数%であったことを示し、制度の廃止を求めるとともに、当面、講習は残ったとしても免許を失効しないものとすること、などの方策を求めました。
さらに、本田副委員長からは少人数学級と定数改善について重ねて求め、北村書記長は、文部科学省政務三役への要請の設定に対し、感謝の意を伝えるとともに、今後も要請への対応をお願いしたい、と要望しました。
以上の要請を受けて広野副幹事長は、「詳細な政策は政府で策定することになる(政策一元化)。幹事長室としては概要を聞いて、重要課題については政務三役で対応するというように整理し、つなぎをしている。教育費無償化の法案については、来週どこかで閣議決定をする予定である」とのべ、「民主党政権は人を育てる、人を大切にするという部分を大切に考えている。また、いろいろなお話を聞かせていただきたい」とのべました。
最後に、2月11日におこなう教育費についてのホットラインについてその結果についてもあらためてお知らせしたい、と山口委員長が述べ、要請を終えました。