10人勧で、人事院は本年中に定年制延長についての「意見の申出」をおこなうとしています。全教は、9月27日、文科省に対して「新たな高齢期雇用のあり方についての要請」をおこないました。初等中等教育企画課と財務課が対応しました。
年金支給開始年齢が65歳に移行していくことに伴い、現在、人事院は定年年齢を65歳にしていく方向で検討をすすめています。しかし、全国の教職員は、現在、60歳の定年まですら働き続けられないのが実態です。「誰もが働き続け、年金に移行する」というあたりまえの制度にするためには、教職員定数増と年金制度の改正(年金支給開始年齢を60歳に戻す)が必要です。また、年金制度の改正が実現するまでは、少なくとも退職手当制度を改正し、若年退職に対して65歳までの生活を保障する割増率を措置することを求めていく必要があります。
同時に、定年が延長されはじめると、制度が完成するまでは過渡的に教職員の新規採用が抑制される可能性があります。そこで、定年延長による教職員の高齢化が、学校教育力の低下にならないことと、新採教職員をきちんと毎年度確保するために、柔軟な教職員定数管理政策が求められます。そのため、60歳を超えて働く教職員を定数から除外し、青年教職員の雇用確保をおこなうこと、当面、再任用制度で働く教職員を定数から除外することが求められます。
対応した文科省の初等中等教育企画課と財務課は、文科省として検討はすすめているが回答できる段階ではないとしながらも、要請内容に対して誠実な意見交換をしました。
とりわけ、基本的には人事院の今後の検討を見守りながら教職員の問題を考えていくとした上で、必要な検討はおこない、タイミングを見て意見表明していくとした点は重要です。定数管理など、他の公務員政策全般に関わる課題も含めて、文科大臣宛要請署名のとりくみを積極的にすすめていくことが求められます。