2011年度政府予算編成の大詰めを迎えている12月14日、「来年度35人学級見送り、人件費抑制を優先・・政府方針」と読売新聞が報じました。こうした報道を受け、全教は12月16日から17日にかけ文科省、財務省、内閣総理大臣、民主党に対し、「35人・30人学級実現、教職員定数改善の『新・計画案』を政府予算に盛り込むことを求める緊急要請」を行いました。両日は、「元気な日本復活特別枠」にかかわる省庁内示と復活折衝の日程とも重なり、時宜を得たとりくみとなりました。
また、各組織に全国から緊急要請を行うことを求めるとともに、全労連、子ども全国センター加入各団体等にも協力要請をしました。
12月16日、全教は、本田久美子副委員長、北村佳久書記長、中村尚史中央執行委員が、高木義明文部科学大臣宛の緊急要請文を、文科省担当者に手渡しました。要請に応じた担当者は、「内示はあったが、明らかにされていない。文科省としてもがんばりたい」と回答。全教は、「計画案の初年度あり、何としても予算化するよう努力してほしい」ことをあらためて要請しました。
財務省には、杉浦洋一副委員長、今谷賢二中央執行委員が要請書を手交しました。
12月17日、全教は「元気な日本復活特別枠」についての内示に対し、来年度予算確定の重要段階にあたり、何としても、来年度から35人学級への一歩を踏み出すことを求めて民主党に要請しました。
参加したのは、杉浦副委員長、加門副委員長、磯崎書記次長、広瀬書記の4人。民主党企業団体対策委員会副委員長の川越孝洋議員が対応しました。
川越議員は、13日の35人学級見送りとの読売新聞報道を、根拠のない記事だと否定すると共に、17日の「小学校一年生のみ35人学級への引き下げ方針を民主党が決定」との共同通信の報道に対しては「現時点でも小学校1・2年での35人学級を求めている」と語りました。また、「かつてとは異なり、多くの母親も仕事をするなど時代が変化しているので、教員が一人ひとりの子どもたちと向き合える状況をつくる事が大切だと思っている」とも述べました。要請団は、少人数学級による教育の前進の事例や、国民的な願いとなっている状況を説明し、来年度からの実施を強く求めました。
内閣府には、今谷賢二、中村尚史両中央執行委員が内閣総理大臣宛の要請書を手交し、「現場教職員をはじめ、全国の父母・国民も期待している。ぜひ、予算に組み込んでほしい」と要請しました。内閣府の担当者は、「本日から復活折衝が行われる。要請書とともに、趣旨については担当である玄葉大臣にも伝える」と述べました。
また、全労連は、全教の要請を受け、議長名で菅直人民主党代表宛に緊急要請書を送付するとともに、各単産・地方組織にも、政府予算化を求める緊急要請のお願い文を発出しました。