『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年11月号 10月20日発行〉

【特集】ともに歩もう! ジェンダー平等と教育の世界へ

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【談話】『くらし・教育・平和の願いを結集し総選挙で政治の根本的転換を――第171回通常国会の閉会、衆議院の解散にあたって』

                   2009年 7月21日 全日本教職員組合 書記長 北村 佳久

 本日、麻生首相は衆議院を解散し、第171回通常国会が終了しました。国民からすでに不信任をつきつけられた麻生内閣が国会を解散し国民の審判を仰ぐことは当然です。


 小泉「郵政選挙」以来、4年ぶりの総選挙となります。この間、自公政権は、衆議院での3分の2を超える多数議席により、国民投票など改憲手続法を強行して、憲法改悪の具体化に踏み出すとともに、教育基本法を改悪し、教員免許更新制度や主幹教諭など新たな職の設置を強行してきました。これに対し、一昨年の参議院選挙では厳しい審判が下され、その後も、安倍・福田内閣が相次いで政権を投げ出しました。しかし、麻生首相は政権にしがみつき、後期高齢者医療制度の強行や自衛隊海外派兵など多数議席の横暴を繰り返してきました。
 
 今国会でも、昨年秋以来の深刻な経済危機の下で国民生活を守る政治が求められたにもかかわらず、麻生内閣と自公与党は労働者派遣法の抜本改正に背を向け、雇用破壊をくい止める具体的な手立てを何らとらず、父母・国民の生活破壊による子どもたちの就修学と進路の危機に対しても、根本的な対策を講じませんでした。また、生活保護の母子加算を容赦なく廃止し、国民の怒りが沸騰した後期高齢者医療制度や障害者自立支援法もそのまま続け、こうした冷たい政治の根幹にある社会保障費2200億円削減の方針も撤回していません。さらに、一時金の引き下げの政治的圧力を強め、平均8万余円の夏季一時金を奪い取りました。その一方、「景気対策」と称した史上最大の補正予算は、自動車や電機業界の売り上げアップのためのエコ減税・エコポイントなど大企業応援が中心であり、国民には「定額給付金」に象徴される一時的な選挙めあてのばらまきに終始したものでした。
 
 外交や防衛については、米国領グアムの米軍基地に国民の税金7000億円を投入するグアム協定や、ソマリア沖の海賊を口実に自衛隊の海外派兵を拡大し、武力の先制行使を認める「海賊対処」新法を強行しました。「核兵器のない世界」をめざす動きが国際政治ですすんでいるにもかかわらず、麻生・自公政権は、民主党の協力の下、米国の「核の傘」に固執し、自衛隊の海外派兵路線をとり続け、憲法9条改悪の策動を強めていることも重大です。
 
 こうした今国会での審議を通じても、大企業優遇、軍事同盟絶対の自公政治の危険とゆきづまりはいっそう明らかになりました。来るべき総選挙は、雇用と福祉・医療など生活の基盤を掘り崩してきた新自由主義的「構造改革」路線、子どもと教職員を管理と競争で苦しめ教育を破壊してきた「教育改革」、自衛隊海外派兵と武力行使を拡大し海外で戦争する国づくりをねらう改憲路線をおしすすめてきた自公政権を国民の手で終わらせることのできる選挙です。国民の生活と福祉、子どもと教育を守り抜く公正なルールある社会をつくる政治、核兵器廃絶のイニシアチブを発揮し、憲法9条を生かし武力によらない平和外交を貫く政治に転換する歴史的な選挙にあたり、全教はすべての組合員が参政権を積極的に行使し奮闘することを呼びかけます。

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