『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2025年1月号 12月20日発行〉

【特集】障害のある人のいのちと尊厳―優勢思想をのりこえる

  • 全教共済
オピニオン

【談話】『「教育再生会議」最終報告について』

2008年 2月 1日 全日本教職員組合 教文局長 山口 隆

 「教育再生会議」は、1月31日、最終報告をとりまとめ、福田首相に提出しました。
 最終報告は、これまで「教育再生会議」が行ってきた第1次から第3次までの報告をまとめたものとなっていますが、中教審でさえ見送った「徳育の教科化」をあらためて強調するなど、改悪教育基本法の具体化を促進するものです。
 これも含め、「教育再生会議」のこれまでの報告の内容は、改悪教育基本法の具体化そのものです。それは、時の政府による教育への介入を強めるとともに、「競争と管理、格差づくり」によって子どもと教育をいっそう困難にするものであり、私たちは、厳しくこれを批判してきました。
 重大なことは、最終報告が、「教育再生会議」が行ってきた教育改悪提言の「実効性を担保するため新たな会議を内閣に設けることが極めて重要」と述べ、「教育再生会議」の後継会議の設置を求めていることです。これに対し、福田首相は、「提言の実現、フォローアップにとりくんでいく」と述べ、後継会議を設置する意向を示したと報道されています。
 これは、「教育再生会議」が行ってきた「提言」の実行度合いを、政府が日常的に点検、監視する機関を設置するものであり、国家が公然と教育に介入するという憲法違反そのものです。子どもにとって百害あって一利ない「教育再生会議」の「提言」の実行など、直ちに中止すべきであり、後継会議の設置など断じて許せません。
 私たちは、政府に対し、「教育再生会議」の後継会議を設置しないことを強く求めるものです。

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