2007年 7月12日 全日本教職員組合 中央執行委員会
本日、参議院選挙が公示されました。
今度の選挙は、自民党が改憲を発議するとしている時期に政治を担う議員を選ぶ選挙であり、日本の進路と教育の未来がかかった大切な選挙です。職場のみんなで政治と教育について話し合い、教職員も主権者として政治に参加し、憲法が生きる教育と社会の明日をきりひらきましょう。
安倍内閣と自民、公明の与党は、平和憲法と一体につくられ、戦後民主教育の屋台骨であった教育基本法を、昨年の臨時国会で数の力を頼んで強行しました。さらに4月には「全国一斉学力テスト」を強行するとともに、先の通常国会で、改悪教育基本法の具体化である教育改悪3法案を国会に提出し、これも数の力を頼んで強行をはかりました。改悪教育基本法、教育改悪3法は、憲法の諸原則に反して、「愛国心」を押しつけて戦争賛美の教育をすすめるとともに、子どもと教職員を競争と管理でしばることをねらっています。
職場には、安倍内閣の「教育再生」の名による「教育破壊」の暴走は許せない、という強い怒りが渦巻いています。教育の条理も無視し、子どもと教職員を苦しめるこんな政治をいつまでも続けさせるわけにはいかない、これが多くの教職員の強い願いではないでしょうか。
私たちは、教育基本法改悪をゆるさないたたかいにおいても、「全国一斉学力テスト」の中止を求めるとりくみにおいても、かつてない教育についての国民的討論の展開をはじめ、重要な到達点を築きました。しかし、同時に、国民の立場に立って教育を守る勢力が、国会内で少数であることの悔しさを痛感したことも事実です。教育のいとなみを破壊する「安倍教育再生」を許さず、30人学級実現、教職員定数改善など教育条件を改善し、教職員のいのちと健康を守るために、憲法と国民のくらしをまもる国会議員を1人でも多く国会に送りましょう。同時に、改憲手続き法案に対しても教育改悪3法案に対しても、本質的に変わらない「対案」を出して、客観的には悪法成立に重大な役割を果たした民主党の果たした役割も明らかにしましょう。
国民生活も深刻です。大企業や資産家への減税の一方で、定率減税廃止など庶民大増税によって、国民が税負担にあえぐ、重大な事態となっています。貧困と格差拡大にストップをかけることは、子どもの安心のよりどころである家庭を守るためにも大切な課題です。
安倍内閣は、国民の批判に対して居直り、国会会期を延長してまで、年金関連法案などの強行をはかりました。しかも、会期延長が審議を尽くすためのものでなく、年金問題での国民の批判を沈静化するために投票日を延ばすものであったことは許しがたいことです。さらに、選挙後には消費税率の大幅引き上げをねらっていることが明らかになっています。
憲法を踏みにじり、平和と国民生活に背を向け、悪政への暴走を続ける安倍内閣に対する国民の批判は大きく高まり、内閣支持率は2割台にまで急落しています。政治の転換の絶好のチャンスです。私たちの切実な要求と政治の関係について話し合いの輪を広げ、私たちの手で政治の転換をはかりましょう。