『クレスコ』

現場から教育を問う教育誌

クレスコ

〈2024年12月号 11月20日発行〉

【特集】登校拒否・不登校から見える景色――安心できる居場所がほしい

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オピニオン

【アピール】『全国一斉学力テストの予算計上を許さず、切実な要求である教職員定数増を実現しよう!』

2007年 6月25日 全日本教職員組合 中央執行委員長 米浦 正

 昨年の教育基本法改悪反対のとりくみに引き続く、教育改悪3法反対のとりくみご苦労さまでした。残念ながら3法は改悪されましたが、憲法と教育の条理に真っ向から背く教育改悪3法に未来はありません。この具体化を許さないためにも当面の参議院選挙に全力をあげてとりくもうではありませんか。

 さて、今年度の文科省概算要求に向けた署名は、特別なに重要な意義を持っています。
 
 その第1は、この署名の第1 項目に全国一斉学力テスト実施のための予算を計上しないことをあげていることです。
 学力テストの問題点は、日を追うにつれていっそう明らかとなってきています。
 子どもたちを今よりもなおいっそう競争の渦に巻き込み、子どもと学校を序列化するという問題に加え、個人情報保護の問題、さらには、朝日新聞でも報道された杜撰な採点など、「学力調査」の根幹を揺るがす事態となっています。このような学力テストは、中止する以外にありません。
 
 第2は、現場の切実な要求である定数増を掲げていることです。
 文部科学省が公表した勤務実態調査についての全教の中央執行委員会声明では、小中学校の残業時間だけでも「年間1兆円の時間外手当」「必要な教職員定数増は約17万人に」となっています。これらの実態を反映して、伊吹文明文科大臣も、経済財政諮問会議において「骨太の方針2006」の1 万人の教職員削減に触れ、「(教師の)数が減ってきている。そのことが結果的に…多くのことが期待される現場の初等・中等教師に大変な重荷になっていて、子どもに十分向き合う時間が取れていない」と、教職員の増員が必要と発言せざるを得ない状況となっています。
 教育改悪3法案の衆参での審議を通じても、与野党問わず、多くの参考人や公述人から教職員増・教育予算増の必要性が語られました。
 今や、教職員定数増は教育にとっても、教職員の健康にとっても急務の課題となっており、昨年度その策定すら放棄した文部科学省になんとしても第8次(高校7次)定数改善計画を策定させなければなりません。
 
 第3は、貧困と格差が拡大する中で、子どもたちの就・修学を保障するため緊急の財政出動も含めた予算措置をかかげていることです。
 就学援助率の増加、高校の授業料の減免率の上昇、大学の納付金が払えないことを悲観して自殺する青年がいます。子どもの学費のために「家を売って学費を払った」(全学連「学費・教育費シンポジウム」より)例もあります。
 いま子どもたちの就・修学を保障するとりくみは、子どもたちの人権を守るとりくみです。
 このような意義を踏まえ、今年度の署名目標は、これまでにない30万筆をかかげています。昨年度までの組合員数規模のとりくみではなく、すべての教職員を視野に入れとりくむとともに、父母・地域住民などにも可能な限り広げて30万筆を必ず達成しようではありませんか。

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